Vegan Green Mapo Tofu
店名
Vegan veggie嫦娥(JOGA)
ジャンル
創作中華料理
果報な一皿
Veganグリーン麻婆豆腐
episode 01

爽やかな痺れと辛み!
グリーンな麻婆豆腐

2022年6月、青山骨董通りにオープンした「Vegan veggie嫦娥(ジョウガ)」。その名の通り、ヴィーガンとベジタリアンに対応した創作中華料理が味わえるレストランです。

数あるメニューのなかで一番人気は、グリーンのとろみソースがたっぷりの「Veganグリーン麻婆豆腐」。今までのイメージを覆す、グリーンの麻婆豆腐とはどんな味わいなのか気になって注文する人、そしてリピートする人も多いのだそう!

とろみソースと一体となった豆腐を頬張ると、こってりというより、どこかフレッシュで、ほどよい辛さと痺れのなかに、爽やかさとやさしい甘味がじんわり広がります。時折、山椒の実がピリッとした清涼感をもたらしてくれるのが、山椒好きにはたまりません。

ソースにはどんな素材を使用しているのでしょうか? 調理を担当する李冠群(り・かんぐん)さんによると、全て緑野菜でできているそうです。

「ほうれん草をはじめ、季節のグリーン野菜をたっぷり使ったソースです。ほうれん草だけでは甘味が強いため、今回はソラマメを加えてピューレにしました。ソラマメを加えるとなめらかになるんですよ」と李さん。野菜を惜しみなくたっぷり使うのが、色鮮やかなグリーンにするポイントとのこと。

そして、肉の代わりにはそぼろ状の大豆ミートを、旨味のもとには野菜のほか生や乾燥きのこを15種類ほど使用しているといいます。上にのせる山椒の実は、旬の時期は日本産、旬を過ぎたら中国産の山椒に切り替えるとのこと。

「Veganグリーン麻婆豆腐」が誕生したのは、「ほかの店にはないグリーン麻婆豆腐がいいんじゃない?」というオーナーの発案がきっかけでした。

唯一無二であるのはもちろん、食べて本当においしい麻婆豆腐であることを念頭に、オーナーともう一人の調理担当者と3人で食べ歩き、メニュー開発に勤しんだという李さん。料理人歴30年、上海の名店「功徳林(こうとくりん)」でも精進料理の修業をした経験を持ちながらも、新しいメニューを生み出すのが一番苦労するといいます。

野菜由来のグリーンソースをたっぷり使用していながら、麻婆豆腐らしいパンチの効いた辛みや痺れ、コクと旨味がしっかりあり、バランスがとれた味わいに仕上がっている「Veganグリーン麻婆豆腐」。まさに、ここでしか出合えないスペシャリテであり、一番人気の理由がよく分かります。

ランチはライス、サラダ、きのこ薬膳スープ、日替わりデザートが付いた「グリーン麻婆豆腐 ランチセット」2,300円、夜はアラカルト1,800円のほか、「嫦娥MOONコース」7品10,000円にも組み込まれています。ぜひ、一度味わってみてはいかがですか?

episode 02

ひと口で魅了される
薬膳と一体化した奥深さ

「Vegan veggie嫦娥」がオープンしたのは、東京・上野仲通りで20年以上、本格中華料理店「再来宴(さいらいえん)」を営むオーナー、吉田みゆきさんの変化がきっかけでした。

「父が他界し、49日の間、精進料理を食べていました。するとカラダが軽くなり、肌の調子もよくなったのを体感したのです」

この体験が転機となり、吉田さんはベジタリアンの道を選びました。ベジタリアンとして生きることで痛感したのは、外食の選択肢の少なさと、その不便さでした。けれど、それは吉田さんにとって挑戦の機会につながりました。「カラダにいい飲食のスタイルをたくさんの人にシェアしたい」。そんな思いから、2店舗目として「Vegan veggie嫦娥」の開店を決意したのです。

「ただ、ヴィーガンやベジタリアンじゃない人にも、『Vegan veggie嫦娥』の料理を食べていただきたいという思いが強いですね。ひと口食べておいしいと思ってもらえるよう、栄養や味にコクを補うために、薬膳の要素を取り入れてメニュー開発をしています。カラダにもよく、香りや酸味、辛みなどが加わり、より深い味わいに仕上げてくれるんです」と吉田さん。実際に、来店者の半数以上はヴィーガン・ベジタリアンではない人たちが占めているそう。

天然の甘味料ともいわれている羅漢果(らかんか)に、薄荷(はっか)や陳皮を加え、爽やかで飲みやすくした温かい薬膳茶など、料理だけでなく、ドリンクやデザートにも薬膳を取り入れたメニューが並ぶのも、同店ならではの特徴です。

夏の期間に登場するのは「冷やし酸辣玄米麺」1,800円。使用するグルテンフリーの玄米麺も注目されています。麺の上には高温の油でさっと炒めた色鮮やかな夏野菜がたっぷりと!15種類のきのこやアスパラガスなどの野菜でだしをとって旨味を出し、ボリュームや食べ応えも◎。こちらのメニューは5月~10月ごろまで提供予定。

「 “薬は食、食は薬”という考え方が薬膳です。旬の野菜など、植物をすべて薬膳の素材としてとらえているんです。例えば胡麻は髪の毛をきれいにしてくれる食材ですし、クルミは脳によく、クコの実は肌にいい。なすなどの夏野菜はカラダの熱をとってくれます。食材は何かしらカラダに影響を与えるんですね。そういった薬膳の考え方を取り入れて、食べておいしく、元気になるようなメニューをこれからも提供していきたいと思っています」と吉田さん。

古来の知恵がたくさん詰まった薬膳と一体化した奥深い味わいに、これからも魅了されそうです。

 

文=味原みずほ  写真=新谷敏司

PROFILE

吉田みゆき(よしだ・みゆき)

中国上海生まれ。1991年に日本に留学。株式会社ゴールドウェイ代表取締役。本格上海料理の味を届けたく、1999年、東京・上野仲通りに本格中華料理「再来宴」を開業。2020年、父親の他界を期に、仏教を学び始め、ベジタリアンに転身。自身ベジタリアンになって外食の不便さを感じ、環境にやさしい飲食スタイルを世の中に発信できればとの思いで2022年6月東京・南青山に2店舗目となる「Vegan veggie嫦娥」をオープン。好きな野菜はブロッコリーやカリフラワー。好きな果物はマンゴー。

Vegan veggie嫦娥(JOGA)