9月は果物に期待が高まる季節。秋りんごや旬野菜の天ぷらから、初秋のお野菜事情まで

まんぷくベジ座談会 〜9月編〜
【野菜を毎日!まんぷくベジ350プロジェクト】

野菜好きが集まる、まんぷくベジ編集部。「最近、お店で〇〇が並びはじめたよね」「今って、どんな野菜に注目してる?」など、野菜談義は尽きません。そこで、野菜ソムリエで管理栄養士でもある小島香住さんを交えて、編集部メンバーがどんなトークをしているのか、毎月ご紹介。

9月になって、少しずつ秋の気配を感じはじめましたが、編集部メンバーも秋らしい食材へと気持ちが切り替わってくる頃。今回は、今年の猛暑での野菜や果物事情、そしてみんなが気になる秋りんごやかき揚げについて語ってみました。

<座談会参加者>

icon
小島香住さん
野菜ソムリエプロ&管理栄養士。食品メーカーでの営業・商品企画開発・メニュー開発などの勤務を経て、現在は2歳の男の子の育児をしながら、WEBサイトやInstagramで野菜の情報を発信。セミナー講師としても活動している。「まんぷくベジ」メンバー。
 
iconiconiconicon
スタッフ4名
あり、くりた、ゆきこ、あじさん。「野菜350g」をまんぷくベジも提唱します!でも、実際に何に気をつければいいのかなど、疑問だらけ……。
 



 

野菜作りには厳しい夏も、ぶどうや柑橘は期待できる!?

 

ぶどう

 

icon
あじさん
 
2023年は梅雨らしい日も少なかったし、7月も8月もとにかく暑かったし……。夏の終わりのお野菜事情を知りたいです。
icon
小島さん
今夏、農家さんは本当に苦労されていました。とにかく暑いのと、水が足りないというのが原因ですね。夏野菜は、みなさんお盆ぐらいまで続けるところが多いんですが、今年は7月で切り上げたところも。たとえばきゅうりだと葉っぱが黄色くなってしまったり、ピーマンは膨らまないなど、収穫物が出荷基準に満たないんです。そこで早めに切り上げて、土を休ませて、秋冬の準備をしているところが多いようです。
 
icon
小島さん
icon
あじさん
 
そうなんですね。果物の農家さんも打撃が大きいとニュースで見ました。ももなどの果実が育たずに、今年はダメかもしれないと諦めている農家さんもいましたね。
icon
小島さん
今年の秋は、ぶどうはいいみたいです。日照時間の長さや気温が高かったせいか、ぶどうにとっては条件がよかったと、長野のぶどう農家さんが話していました。ぶどうは雨が少ない方が甘くなるそう。柑橘も同じく、夏の雨が少ないと甘くなるんです。
 
icon
小島さん
icon
あり
 
ぶどうや柑橘類は期待できそうですね!                         

 

 

種類豊富な日本のりんご。名前に個性があらわれる!?

色々な品種のりんご

 

icon
くりた
 
先日、シナノリップとシナノスイートを買いました。年々、りんごの種類が増えている気もします。秋りんごについて教えてください。
icon
小島さん
この時期に食べられるのは、早生種ですね。りんごは、親の品種と品種の掛け合わせで新しい品種が生まれるのですが、親のりんごの味がかなり影響します。そして、最近は素敵な名前のりんごがたくさん生まれていますよね。
 
icon
小島さん
icon
あじさん
 
シナノ系のりんごって、かなりたくさんありますよね。シナノプッチとかシナノドルチェとか。かわいいですよね。
icon
小島さん
りんごは、かなりたくさんの品種があるので、その特徴を捉えるような名前を付けることが多いです。例えば、黄色い皮の品種なら「金星(きんせい)」とつけたり、黒に近いような色の濃い紅色の品種だと、「秋映(あきばえ)」などとつけられています。いちごと同じように、りんごも品種名で並ぶようになりましたね。
 
icon
小島さん
icon
あり
 
シナノ〇〇ってりんごがたくさんありますが、これは親や先祖が一緒だったりするんですか?
icon
小島さん
そうではなくて、長野で生まれた品種ということで、プライドを持って名前をつけているんです。長野県産であることを示すために、頭に「シナノ」とつけるんですね。
 
icon
小島さん
icon
あじさん
 
青森出身の私だけど、シナノスイートとか長野のりんごも大好きですよ!どちらの産地のものもよく食べますが、私の感覚で言えば、長野の方が先端を行っている気がします。たとえば、輪切りにした時に、五角形のミツが入っているりんごなんてあるんです。長野県のアンテナショップに行くと、見たこともないような品種のりんごに出合えて、「青森、がんばって!」なんて。収穫量で言えば青森が圧倒的に多いんですけど、変わり種やオシャレな品種は、長野が負けていませんね。

 

タルトタタン

 

icon
ゆきこ
 
秋になると、今年こそタルトタタンを作ろうと思うのですが、工程が大変すぎて結局諦めてしまいます……。                           
icon
くりた
 
タルトタタンには紅玉がいいですよね!でも、出回る時期が限られちゃうんですよね~。                             
icon
小島さん
紅玉は9月~10月に出回りますよ。これからが旬ですね。                                                
 
icon
小島さん

 

 

秋にこそ作って食べたい、旬野菜の天ぷらやかき揚げ

かき揚げ

 

icon
ゆきこ
 
私はここ2~3ヶ月ぐらい、「アドレスホッピング」と言うか、拠点を転々と変えていたんです。たとえば少し前には九州にいたんですが、その土地の小さなスーパーに行って、手作り感のあるお惣菜を探すのにハマっています。 熊本で出合った、この海老とそら豆の天ぷらなんかもおいしかったですね。天ぷらのかき揚げも、オーソドックスなものばかりじゃなくて、ちょっと変わった素材で作ってみたいなと最近思っています。

 

海老とそら豆の天ぷら

 

icon
くりた
 
わかります。私もかき揚げはそろそろ食べたいなと。これからなら、秋の旬野菜をかき揚げにするのもいいですよね。          
icon
あじさん
 
青森に、「嶽きみ」ってとうもろこしがあって、これがびっくりするぐらい甘くて!さらに天ぷらもおいしいんですよ。嶽きみは8月中旬から10月上旬と、一般的なとうもろこしより旬が遅いので、これからぜひ食べてみてほしいです。東京でも手に入りますよ。
icon
くりた
 
それは食べたい!とうもろこしと言えば先日、神楽坂にあるフレンチレストランにランチに行ったら、最初にとうもろこしの冷製スープがとにかく甘くておいしくて……でも、ほんのちょこっとしか入ってなくて(笑)。これ、嶽きみで作ったら最高そうですね。
icon
あり
 
夏は暑すぎて、揚げ物をする気にもならかなったけど、少しずつ気温も落ち着いてくると、天ぷらやかき揚げは自然と食べたくなってきますね。もう少し秋が深まったら、きのこや芋系の天ぷらも食べたいです!

 


 

今年の猛暑は、野菜の生育や収穫に過酷だったようですが、ぶどうや柑橘系などは甘く育っているという、果物好きにはうれしい朗報も。農家さんを応援するためにも、野菜や果物を積極的にとっていきたいですね。またこの秋は、りんごの名前にも注目してみると面白いかもしれませんよ。

 

 

【あわせて読みたい】2022年9月の座談会はこちら

いちじく

    金時草、いちじく、たんぱく質が摂れる野菜etc. 秋のはじまりに楽しみたい、果物&お野菜トーク

 

WRITER

内田あり
Ari Uchida

フリーランスの編集ライター。食・子育て・住宅・インテリア・植物・ガジェットなど多岐にわたるジャンルで、ムックや雑誌、フリーペーパー、WEBコンテンツなどで執筆。高校生と中学生の2人の娘をもつ母であり、子どもたちの野菜嫌いを克服させるべく、献立に頭を悩ませる日々。野菜不足になりがちなので、毎日の食卓には手作りのピクルスを添えるよう心がけている。