ホワイトアスパラガス、ブロッコリー、菜の花etc. 春らんまんのお野菜トーク

まんぷくベジ座談会 〜4月編〜
【野菜を毎日!まんぷくベジ350プロジェクト】

野菜好きが集まる、まんぷくベジ編集部。「最近、お店で〇〇が並びはじめたよね」「今って、どんな野菜に注目してる?」など、野菜談義は尽きません。そこで、野菜ソムリエで管理栄養士でもある小島香住さんを交えて、編集部メンバーがどんなトークをしているのか、毎月ご紹介。


4月に入り、桜も開花しはじめて、街中はすっかり春。この時期だからこそ食べたくなる、春野菜の話で盛り上がりました。

<座談会参加者>

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小島香住さん
野菜ソムリエプロ&管理栄養士。食品メーカーでの営業・商品企画開発・メニュー開発などの勤務を経て、現在は2歳の男の子の育児をしながら、WEBサイトやInstagramで野菜の情報を発信。セミナー講師としても活動している。「まんぷくベジ」メンバー。
 
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スタッフ4名
あり、くりた、ゆきこ、あじさん。「野菜350g」をまんぷくベジも提唱します!でも、実際に何に気をつければいいのかなど、疑問だらけ……。
 



 

ドイツでは春の風物詩。この時季限定の美味、ホワイトアスパラガス

グリーンアスパラガスとホワイトアスパラガス

 

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あり
 
春になると、ホワイトアスパラガスがレストランのメニューに登場しますね。私は先日行ったお店で、ホワイトアスパラガスをポーチドエッグと生ハムと一緒にいただきました。トロトロでおいしかったです~。
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小島さん
これからの時期、グリーンアスパラガスやホワイトアスパラガスが旬を迎えるので、フレッシュなものが店頭に並びはじめますね。
 
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小島さん
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くりた
 
料理教室でご一緒した方から聞いたのですが、ドイツでは、ホワイトアスパラガスは「シュパーゲル」と呼ばれて、3月中旬から6月24日までの期間限定で味わうそうですよ。この期間中はちょっとしたお祭り騒ぎになるというか、ドイツ人はホワイトアスパラガスに並々ならぬ想いがあるみたいですね。
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あじさん
 
そういえば先日、ドイツ料理のビアガーデンに行ったら、「春、来ました!」という触れ込みで、“シュパーゲル祭り”をやっていたんです。ドイツの春の風物詩って感じなんですね。私たち日本人にも、ホワイトアスパラガスが少しずつ身近になってきている気がしました。
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くりた
 
ホワイトアスパラガスって、フレンチレストランやビストロなどで目にするようになってきて、それがだんだんと身近なスーパーでも店頭に並ぶようになってきた野菜のひとつですね。それで、いざ買ってみると、少し扱いにくいというか、上手く調理できたことがないというか。なので憧れのままの野菜です。

 

ホワイトアスパラガス

 

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ゆきこ
 
ホワイトは、グリーンを日に当てないで育てるみたいですね。どちらも今が旬ですが、なぜこんなにホワイトアスパラガスが待ち焦がれられるんでしょうか。
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小島さん
グリーンよりも手間がかかるので、値段も少し高めなんです。さらに需要がまだ少ないので、出荷量自体も少ないからかもしれないですね。
 
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小島さん
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くりた
 
茹で方って、グリーンとホワイトで違うんですか?                                 
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小島さん
生の状態ではホワイトの方が、グリーンよりも硬いので、茹で時間も長めに茹でるといいですよ。それから、加熱されたホワイトアスパラの印象って、やわらかくクタッとしたイメージではないですか?それは、日本ではホワイトは瓶や缶詰に入った状態で多く流通しているので、そちらの食感がインプットされているのかもしれません。
 
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小島さん
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あり
 
グリーンアスパラガスは、瓶や缶詰では見かけないですね。どうしてなんでしょうか。                               
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小島さん
グリーンは熱や圧力を加え過ぎてしまうと、それに耐えられないので製品化できないんです。ホワイトは、それに耐えられる硬さがあるので、独特のトロッとした食感が楽しめるというのもあります。

さらに、ホワイトアスパラガスには、「アスパラギン酸」という疲労回復などに効果のある栄養素が飛び抜けて含まれているんですよ。特に、味のよい穂先の部分に一番入っているので、我が家では穂先をめぐる争奪戦が起こることもあるくらい(笑)。
 
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小島さん

 

 

ホクホク仕上がりブロッコリーの秘訣は、蒸し焼き

ブロッコリー

 

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あり
 
先日はじめて知ったのですが、ブロッコリーは日本で100種類ぐらい品種があるそうですね。ちょっと驚きでした!
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小島さん
そうなんですよ。実は品種がたくさんあるのですが、“ブロッコリー”でしか売られていないんです。指定野菜に正式に加わったら、もしかしたら品種名で売られるようになるかもしれないですね。

ブロッコリーには、ちょっと面白い品種名も。植えてから収穫までの期間が品種ごとに違うんですが、一番早く収穫できるのが「おはよう」、その次が「こんにちは」、そして一番期間が長いのが「こんばんは」という品種名があるんですよ。
 
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小島さん
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あり
 
ブロッコリーって、いつも同じように茹でても、その日によって茹で具合や硬さが違うのが悩みです。              
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小島さん
多少の個体差があるので、なかなか難しいですね。私の感覚ですが、茹で時間は、たっぷりのお湯だと1分半ぐらい、少量の水で蒸すのだと3分ぐらいにしています。

おすすめは、大きめのフライパンで蒸す方法。ブロッコリーをフライパンに入れて、そこに適量の塩を振り、少量の水を入れてから蓋をして火にかけて蒸します。たっぷりお湯を沸かさなくていいので経済的。茹で上がったら、そのまま“丘上げ(水につけずに、ざるで汁を切ること)”にするのも鉄則ですね。
 
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小島さん
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ゆきこ
 
丘上げで、味も変わるんですか?                                          
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小島さん
すごくホクホクに仕上がります。あとは、ビタミンCなどの流出が少なく抑えられるのもいいですよね。                         
 
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小島さん

 

 

“春”を感じる葉の花は、油との相性が抜群!

菜の花

 

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小島さん
私、今年はいろいろな種類の菜の花を食べています。こまつなの菜の花、ブロッコリーの菜の花、ちんげんさいの菜の花など……。食べ比べてみると違いがあって、面白いですよ。
 
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小島さん
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あじさん
 
菜の花って、スーパーでは"菜の花"でしか売っていないから、何の菜の花を食べているのかわからないですよね(笑)。いろいろ種類があるんですね。
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小島さん
スーパーでよく見かける、紙に包まれて売られているのは「食用ナバナ」という品種なんです。                   
 
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小島さん
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あり
 
小島さんのご家庭では、菜の花はどうやって食べるんですか?                                  
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小島さん
うちは子どもが食べやすいように、ツナとごまとマヨネーズで和えたり、卵とベーコンと一緒に炒めたりしていますね。
 
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小島さん
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ゆきこ
 
この前、たまたま行った直売所で、葉の花と一緒にのらぼう菜を買いました。しゃぶしゃぶにして食べたら、けっこうおいしかったですよ。

 

のらぼう菜

 

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くりた
 
のらぼう菜って、年々見かけることが多くなって、気になっていました!江戸東京野菜にも認定されている伝統野菜ですってね。
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小島さん
直売所などで売っていますね。スーパーの野菜売り場でも、産直コーナーで見つけられるかもしれません。くせや苦味もなくて食べやすいし、アブラナ科なので油との相性もいいですよ。
 
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小島さん

 

ドイツでは国全体で、春の訪れをホワイトアスパラガス(シュパーゲル)の味わいで実感するとは、なかなか素敵です。さらに日本でも、たけのこや山菜など、春の訪れが感じられるお野菜がいろいろありますね。ぜひ、ご自身で野菜選びで春を楽しんでみてはいかがでしょうか。

また、以前はレストランなど外食で食べるだけだったお野菜が、最近では身近なスーパーや、直売所などでも手軽に手に入るように。新しいことがたくさんはじまるこの季節。フレッシュな気持ちで、新しい味わいや調理法に挑戦してみるのもいいですね。

 

 

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山菜

    山菜、たけのこ、春キャベツ。芽吹きの時期に味わいたい、春のお野菜トーク

 

WRITER

内田あり
Ari Uchida

フリーランスの編集ライター。食・子育て・住宅・インテリア・植物・ガジェットなど多岐にわたるジャンルで、ムックや雑誌、フリーペーパー、WEBコンテンツなどで執筆。高校生と中学生の2人の娘をもつ母であり、子どもたちの野菜嫌いを克服させるべく、献立に頭を悩ませる日々。野菜不足になりがちなので、毎日の食卓には手作りのピクルスを添えるよう心がけている。