立夏(りっか)とたけのこ
[2023年5月6日]二十四節気

WRITER/坂田芽唯

日本の暦と旬の野菜-夏

夏の始まりにあたる立夏は、2023年は5月6日となり、この日は春分と夏至のちょうど中間です。「夏が立つ」という名前の通り、新緑が眩しく、気候も少し夏めいてきます。

 

※二十四節気とは、1年を春夏秋冬の4つに分け、そこからさらに6つに分けた、約15日間の季節を表す言葉。現在は最初の日だけを指すことが一般的ですが、本来はこの15日間を表します。

※日本の暦は、旧暦(太陰太陽暦の暦法「天保暦(てんぽうれき)」)から、1872年にグレゴリオ暦(太陽暦)が採用され、新暦と呼ばれます。特別な表記がない場合を除き、日付は新暦です。

※二十四節気の日付は毎年異なり、1日程度前後します。

男児の成長を願う端午の節句

立夏_端午の節句

5月5日は、端午(たんご)の節句です。「こどもの日」とも呼ばれますね。

では、そもそも端午の節句とは、どのような行事なのでしょうか。
端午の節句とは、男児が無事に成長していくことを願う行事のこと。かしわ餅やちまきを食べる習慣や、鯉のぼりを飾る風習があります。

では、そもそもなぜ、端午の節句に男児の成長を願うようになったのでしょうか。元々の由来は、厄除けの行事が関係します。

昔は、季節の変わり目にあたるこの端午の日に、厄除けの行事を行っていました。そして、厄除けのために飾ったのが、この時期の花、菖蒲(しょうぶ)です。

世の中の風潮が武家社会へと変化していくうち、「菖蒲」と「尚武(しょうぶ)」をかけて、やがて将軍の男児の誕生を祝うようになりました。これが、一般の人々にも広まっていったのが、今の「端午の節句」です。
※尚武 武事や軍事を尊ぶこと。

 

キャベツの1.5倍! 食物繊維が豊富なたけのこ

立夏_たけのこ

立夏の時期に旬を迎える野菜は、たけのこです。

たけのこには、チロシンというアミノ酸がふくまれます。たけのこに付着した、白っぽい粉を見たことがないでしょうか。この白い粉の正体が、チロシンです。
チロシンは、神経伝達物質の原料となる栄養成分。そのため、脳の活性化に効果が期待できますよ。

また、たけのこは、繊維質で、食物繊維が豊富な野菜です。キャベツの1.5倍、トマトの2.8倍の食物繊維をふくみ、腸内環境の改善にはたらきます。

 

<たけのこのおすすめの食べ方>

スーパーでたけのこを入手したら、できるだけその日に下処理をしましょう。生の状態で放置するほど、えぐみが強くなります。

たけのこの皮をむき、やわらかい部分を水で煮て、アク抜きの加熱処理するのが、一般的な下処理の方法です。

できるだけ早く料理に使用するのがおすすめですが、だし汁にひたしてフリーザーバッグに入れ、冷凍庫で保存することも可能ですよ。この場合、繊維を切断するようにいちょう切りにしましょう。だし汁に浸すことで、水分が抜けることを防止できます。

使用するときは、凍ったまま料理に入れて調理します。

 

<そのほかの旬の野菜>

この時期に旬をむかえるそのほかの野菜は、次の通りです。

  • 春キャベツ
  • あしたば
  • うど
  • アスパラガス
  • みつば
     

 

初夏を告げる、びわ

立夏_びわ

この時期、旬を迎える果物はびわです。初夏を告げる代表的な果物で、この季節にしか味わえない味覚。やさしい甘さと香りの芳醇さが特徴です。

そのまま食べるのはもちろん、痛みやすく保存が効かないため、コンポートなどにしてもおいしくいただけますよ。
鮮度が大切な果物ですので、購入したらできるだけ早くいただきましょう。



夏の始まり、立夏。初夏を代表する野菜や果物が市場に出回り、青々とした景色が眩しい季節です。
旬を取り入れたお弁当をつくのも一段と楽しいかもしれませんね。
 

WRITER

坂田芽唯
Mei Sakata

管理栄養士。栄養・レシピ・ヴィーガンなど、食に関する記事をWEBコンテンツで執筆。その他、カフェのメニュー開発、料理動画制作などをして活動。これまでは給食提供のほか、離乳食指導や食育指導に従事。幼少期から茶道を習っており、日本文化が好き。こども食堂を開くのが夢!

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