小満(しょうまん)とアスパラガス
[2023年5月21日]二十四節気

WRITER/坂田芽唯

日本の暦と旬の野菜-夏

2023年の小満は、5月21日。蚕(かいこ)が目覚めて桑(くわ)の葉を食べたり、黄色が鮮やかな紅花が盛んに咲いたりする時期です。
また、身近な食材である「麦」の収穫時期。黄金色の穂と、青々とした麦が一面に広がり、自然界に命が満ち満ちてきます。

 

※二十四節気とは、1年を春夏秋冬の4つに分け、そこからさらに6つに分けた、約15日間の季節を表す言葉。現在は最初の日だけを指すことが一般的ですが、本来はこの15日間を表します。

※日本の暦は、旧暦(太陰太陽暦の暦法「天保暦(てんぽうれき)」)から、1872年にグレゴリオ暦(太陽暦)が採用され、新暦と呼ばれます。特別な表記がない場合を除き、日付は新暦です。

※二十四節気の日付は毎年異なり、1日程度前後します。

“走り梅雨”は卯の花が美しい季節

小満_卯の花

「走り梅雨」とは、6月頃に迎える梅雨に先立ち、 梅雨を想起させるぐずついた天気が続くこと。これは、沖縄地方が本州より先に梅雨入りしたとき、本州南岸にも前線が停滞することによって起こります。
別名で、「迎え梅雨」、「梅雨の走り」とも呼びます。

また、走り梅雨は、「卯の花腐し(うのはなくさし)」とも呼ばれることをご存知でしょうか。卯の花とは、5月頃に咲く、ウツギの白い花のことです。長雨に打たれて、卯の花を腐らすので、このように呼ばれるようになりました。

 

強い抗酸化作用をもつ、アスパラガス

小満_アスパラガス

この時期に旬を迎える、おすすめの野菜は、アスパラガスです。近年では、年間を通してスーパーで見かけますが、本来の旬は5・6月頃。

みずみずしく、シャキッとした独特の歯応えがクセになる野菜ですよね。

アスパラガスは、強い抗酸化作用をもち、ビタミンEが豊富です。抗酸化作用とは、細胞膜を酸化させる、活性酵素を抑える働きのこと。アスパラガスのもつビタミンEの量は、キャベツの15倍、トマトの3倍にもなります。

ヒトの細胞は、細胞膜の酸化によって、老化や動脈硬化を引き起こします。抗酸化作用のある食品を摂取すると、老化や生活習慣病を予防するのに役立ちますよ。
 

<アスパラガスの種類>

スーパーでは、さまざまな種類のアスパラガスが出回っています。
近年、見かけるアスパラガスには、以下のようなものがあります。

・ホワイトアスパラ
名前の通り見た目が白く、旨味の強さが特徴。栽培時に土をかぶせ、光を遮ることで白くなる。

・紫アスパラ
生の状態では、アントシアニンという色素成分によって濃い紫色をしている。ただし、茹でると緑色に変化するのが特徴。味は甘味が強い。
 

<そのほかの旬の野菜>

この時期に旬を迎えるそのほかの野菜には、次のようなものがあります。

  • 春キャベツ
  • あしたば
  • そらまめ
  • かぼちゃ
  • グリーンピース

 

近年注目される日本産マンゴー 

小満_マンゴー

国産のマンゴーは、6月〜8月頃に旬を迎えます。

特に、近年では宮崎のマンゴーが注目を集めましたね。宮崎のマンゴーの中でも、重量350g以上かつ、糖度15度以上のものに与えられるのが、「太陽のタマゴ」という称号です。そのほかにも、鹿児島産、沖縄産など、南国地方で収穫されます。


自然の生命力がみなぎる、雨季の直前、小満。これからきたる梅雨の時期は、体が重だるくなるものです。雨季に備えて、旬の野菜や果物を積極的に摂取し、健康的な体づくりを心がけましょう。
 

WRITER

坂田芽唯
Mei Sakata

管理栄養士。栄養・レシピ・ヴィーガンなど、食に関する記事をWEBコンテンツで執筆。その他、カフェのメニュー開発、料理動画制作などをして活動。これまでは給食提供のほか、離乳食指導や食育指導に従事。幼少期から茶道を習っており、日本文化が好き。こども食堂を開くのが夢!

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