日本の暦と旬の野菜-夏
太陽が痛いくらいに肌に照りつける季節、大暑。2024年は7月22日に迎え、その名の通り、一年で最も暑い季節と考えられています。
大暑の時期にあたる、この頃に、土用(どよう)の丑(うし)の日を迎えます。
土用の丑の日にうなぎを食べるのは、私たちにも身近な習慣になりましたよね。
※二十四節気とは、1年を春夏秋冬の4つに分け、そこからさらに6つに分けた、約15日間の季節を表す言葉。現在は最初の日だけを指すことが一般的ですが、本来はこの15日間を表します。
※日本の暦は、旧暦(太陰太陽暦の暦法「天保暦(てんぽうれき)」)から、1872年にグレゴリオ暦(太陽暦)が採用され、新暦と呼ばれます。特別な表記がない場合を除き、日付は新暦です。
※二十四節気の日付は毎年異なり、1日程度前後します。
土用の丑の日にうなぎを食べる理由とは?
「土用」とは、季節の変わり目にあたる、立春・立夏・立秋・立冬の前の18日間を指します。
これは、木・火・金・水・土の五つの要素をさまざまな事柄に当てはめる、中国五行(ごぎょう)思想を元にしており、春夏秋冬の季節にも五行を割り振ったことが起源です。春は木、夏は火、秋は金、冬は水、と振り分けたのち、「土」はどの季節にも振り分けられなかったため、各季節の変わり目にあたる頃を「土用」と呼ぶようになりました。
丑の日の「丑」は、年の数えでなじみ深い、十二支を元にした数えのこと。
ちなみに、十二支のなかで、丑は2番目のため、土用の18日間中で、丑の日はを2日目(一の丑)と14日目(二の丑)の2回を迎えることもあります。
各季節の変わり目のことなので、土用の丑の日は、大暑の時期以外にもあるわけですが、気温が急激に上昇し、体調を崩しやすい時期であることから、夏の土用の丑の日が着目されるようになりました。
そして、これから来る猛暑に向けて、精をつけるために「う」のつく食べ物である、うなぎ、うどん、梅干し、うりなどを食べて乗り切ると考えられるようになったのです。
旬の野菜・とうがんはみずみずしくてさっぱり!
とうがんは、7月から9月に旬を迎える夏の野菜。
たんぱくな味わいと、特有のみずみずしさで、食欲の低下する夏でもあっさりといただける食材です。
とうがんの栄養素は、水分が多く、カリウムの割合が高いのが特徴。他の野菜同グラムと比較すると含有量は少ないのですが、野菜特有の歯応えがない分、たくさんの量をペロリといただけるのがうれしいですね。
カリウムは血中の塩分排出を促すため、むくみ対策に効果的です。また、老廃物を排出する働きがあるので、デトックス効果も期待できますよ。
<うりの種類>
この時期には、とうがんの仲間である、さまざまなウリ(瓜)科の野菜が旬を迎えます(ちなみにメロンもウリ科です)。
珍しいものもあるので、もし見かけたら、ぜひお手にとってみてくださいね。
・まくわうり(7〜8月)メロンの仲間で、甘味が特徴。デザートとして食べられる。
・はぐらうり(7〜9月)やわらかい食感で、茨城や千葉の一部で栽培される。漬物が一般的。
・はやとうり(8〜10月)シャキシャキとした食感が特徴。漬物や炒め物がおすすめ。
<そのほかの旬の野菜>
この時期に旬を迎えるその他の野菜には、以下のような野菜があります。
- とうもろこし
- なす
- ししとうがらし
- 夏キャベツ
- オクラ
芳醇な香りの果物・ぶどう
8月から10月頃に旬を迎えるぶどう。豊潤な香りが大人気のぶどうの時期を、待ち焦がれていた方も多いのではないでしょうか。巨峰、ピオーネ、小粒なデラウェア、最近話題のシャインマスカット・・・。日本では、大人気の果物です。
しかしこのぶどう、他国ではあまり生では食べられません。ぶどうの生産が盛んなイタリアやフランス、アメリカでは、ワイン文化が色濃く、原材料として生産されるのが一般的。同じ果物でも、文化の違いで味わい方が異なるのもおもしろいですね。日本のぶどうは生食が目的のため、とても甘いのが特徴です。ぜひ存分に旬のぶどうを味わってください。
一年で最も暑さの厳しい、大暑。夏バテでの食欲低下が深刻な時期ですので、土用の丑の日にちなみ、「う」のつく野菜、「うり(とうがん)」を食べたり、定番のうなぎを食べたりして乗り切りましょう。
WRITER
管理栄養士。栄養・レシピ・ヴィーガンなど、食に関する記事をWEBコンテンツで執筆。その他、カフェのメニュー開発、料理動画制作などをして活動。これまでは給食提供のほか、離乳食指導や食育指導に従事。幼少期から茶道を習っており、日本文化が好き。こども食堂を開くのが夢!
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