update - 2021.03.10

[春・3月21日頃]
春分(しゅんぶん)と新たまねぎ

毎年3月21日頃は、春分の日。国民の祝日にあたる春分の日は、「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日として定められています。動植物が本格的に活動し始める、春の生命の息吹に喜びを見出す日ともいえますね。

 

※二十四節気とは、1年を春夏秋冬の4つに分け、そこからさらに6つに分けた、約15日間の季節を表す言葉。現在は最初の日だけを指すことが一般的ですが、本来はこの15日間を表します。

※日本の暦は、旧暦(太陰太陽暦の暦法「天保暦(てんぽうれき)」)から、1872年にグレゴリオ暦(太陽暦)が採用され、新暦と呼ばれます。特別な表記がない場合を除き、日付は新暦です。

※二十四節気の日付は毎年異なり、1日程度前後します。

春分の前後七日は「春彼岸」

春分の日は、昼と夜の長さが同じであることでも知られています。このように知られた理由は、春分の日には、太陽が真東からのぼり、真西に沈むためです。

しかし、実際は、昼の方が少し長いことをご存知でしょうか。
天文学では、昼と夜を「日の出」と「日の入り」を昼と夜の境と考え、それぞれの定義に則して計算します。そうすると、昼の時間の方が十分程度~数十分、長いことが明らかとなっています。

複雑な話になるので、ご興味のあるかたは、ぜひ調べてみてくださいね。

なお、春分の日を中日として、前後3日間の計7日間を「春彼岸」といいます。
2021年の春分の日で考えると、次のようになります。

3月17日(水)彼岸の入り
3月20日(祝)彼岸の中日 ※春分の日
3月23日(火)彼岸の明け

そもそもお彼岸とは、仏様の供養をすることで極楽浄土に行けると考えられている期間です。
お彼岸を迎えるこの期間には、お仏壇の掃除や、お墓参り、供花などを行い、準備を整えましょう。


 

春彼岸にお供えする「ぼた餅」

春分_ぼた餅

 

春彼岸には、ぼた餅をお供えする習慣があります。これは、小豆の赤色が魔物を祓(はら)う色と考えられているため、魔除けのためにお供えされるようになりました。

ぼた餅と似たものに「おはぎ」がありますね。違いをご存知でしょうか。

牡丹の花が咲く春のお彼岸に食べるものが「ぼた餅」、萩の花が咲く秋のお彼岸に食べるものを「おはぎ」と呼びます。また、材料は同じですが、一般的にはあんこの調理法に違いがあり、ぼた餅は「こしあん」、おはぎは「つぶあん」にします(地域によっては通年で同じ場合や、きな粉や青海苔を使うことも)。

 

旬の野菜「新たまねぎ」

春分_新たまねぎ

 

春分の頃に旬を迎える野菜の一つ、新たまねぎについて、ご紹介します。
そもそも、「新たまねぎ」と「たまねぎ」は何が違うのでしょうか。

答えは、出荷時の保存方法にあります。
通常のたまねぎは、保存性を高めるため、乾燥した状態で保管し、その後出荷します。一方、新たまねぎは、収穫されてすぐ出荷したものを指すのです。

春分の時期にとれる新たまねぎは、甘味が強く食べやすいのが特徴。たまねぎを食卓に取り入れて、春をたのしみましょう。

たまねぎ特有の栄養成分は、次の通りです。

<たまねぎの栄養成分>
・アリシン
血液凝固抑制効果があるため、血液をサラサラにするのに役立つ。

・ケルセチン
ポリフェノールの一種。抗酸化作用が強いため、細胞の老化防止に役立つ。
認知機能の改善に役立つという報告もあり、現在も研究が進んでいる。


<新たまねぎを美味しく食べる下準備のコツ>

・横にスライスする
たまねぎの繊維に対して、垂直に切ることによって、切り口の表面積が大きくなります。
これにより、辛味成分が揮発しやすくなり、甘味を感じやすくなります。

・空気にさらして辛みを抜く
薄くスライスしたたまねぎは、広げて空気にさらすことで、辛味を抜くことができます。これは、たまねぎの辛味の元になる成分(アリシン)が、揮発性の高い成分であるためです。
 

<そのほかの旬の野菜>
この時期に旬をむかえるそのほかの野菜は、次の通りです。

 

  • ふき
  • うど
  • こまつな
  • さやえんどう
  • なばな

 

ぜひ味わいたい「清見オレンジ」

春分_清美オレンジ

 

清見(きよみ)オレンジは、みかんのような香りのよさと、オレンジのようなしっかりとした見た目が特徴の柑橘。2月下旬~4月下旬に流通し、もっとも美味しいのは3月頃となります。


味は、みかんのような甘さが際立ち、通常のオレンジと比較すると、酸味は控えめです。
温州みかんと、外国産のトロビタオレンジを交配して開発されました。


春の訪れを本格的に感じ始める、春分。
旬の野菜が続々と流通し始め、甘味の強い野菜を味わえる贅沢な季節です。

素材そのものの味を楽しみながら、春の料理を楽しんでくださいね。
 

執筆者

坂田芽唯/Mei Sakata

管理栄養士。栄養・レシピ・ヴィーガンなど、食に関する記事をWEBコンテンツで執筆。その他、カフェのメニュー開発、料理動画制作などをして活動。これまでは給食提供のほか、離乳食指導や食育指導に従事。幼少期から茶道を習っており、日本文化が好き。こども食堂を開くのが夢!