今こそ、国産野菜を食べよう
-Part1-
食べて応援! 国産野菜をお取り寄せ。

2021.04.23
WRITER/味原みずほ

「買い物は投票」という言葉があります。いまや海外産の食材も安く手に入るなど、お買い物には幅広い選択肢があります。そのなかでぜひ、国産のものを選んで買ってみませんか? 

ECサイトでお手軽に農家さんから畑直送の新鮮な野菜をお取り寄せできる、ずいぶん便利な世の中になりました。

こうなった背景には、実は農家さんたちの苦しい事情があったのです。

今、国産野菜を生産している農家さんたちが厳しい状況に置かれているのをご存知ですか?

2020年からの新型コロナウイルス感染症の影響で、特に飲食店等に納品されていた野菜が行き場を失い、生産者さんたちが苦境に立たされています。

 

千葉県館山市で農業を営む「たてやまかおり菜園」の小宮かおりさんも打撃を受けたお一人。

家族で耕す畑は5ヘクタール(東京ドーム約1個分)で、珍しいイタリア野菜を含め、年間120種類ほどの野菜を栽培しています。

 

たてやまかおり菜園

 

主な納品先は関東圏内のホテルや飲食店。しかし、コロナによる影響で、丹精込めて育てた野菜の納品先が激減してしまいました。

2020年4月、どうしていいか途方にくれていた頃、地域新聞社の知り合いの方からの紹介で、幸いにもECサイトでの販売を始めることができたという小宮さん。

「現在はポケットマルシェさんや食べチョクさんでの販売が主軸となり、売上げは何とか保てています。あのきっかけがなかったらと思うと、今どうなっていたか分かりませんね」

 

コロナ以外にも、かねてから農家さんをおびやかすものがあります。

それは、自然災害。

2019年9月に発生した台風15号で小宮さんの畑やハウス等が被災。その影響が今でも尾を引き、経営を立て直すにはまだまだ時間がかかるとのこと。

小宮さんが登録している「ポケットマルシェ」や「食べチョク」等のECサイトでは、コロナや自然災害で困っている農家さんの野菜も取り扱っています。

私たち消費者のなかには、ECサイトでお取り寄せをし、生産者を“食べて応援”している方もいるはず。

 

「野菜を購入してくださった方からECサイトやSNSを通して応援メッセージをいただいたり、毎週リピート購入する方もいらっしゃいます。励みやモチベーションアップにつながっているんですよ」と小宮さん。

こうした私たちの応援消費は、農家さんの大きな支えと励みになっているのですね。

 

たてやまかおり菜園の野菜たち

 

小宮さんから届いた箱を開けると、カラフルな旬の野菜とともに、カリフローレ(写真・真ん中)など珍しいイタリア野菜も織り込まれています。

どう調理してよいのか分からない方にも安心して食べてもらえるように、小宮さんは調理法などを記した簡易レシピを添えて発送。食べ手に寄り添った心づかいがうれしく、また、珍しい食材が登場することで食卓の会話も弾みます。

 

こうしたECサイトを活用している農家さんには、少量多品目を生産している小規模農家が多くみられるのも特徴です。農法にもこだわり、人一倍の手間ひまをかけて栽培しているのです。

なかには、おいしさは変わらないのに、見ためが不揃いだったり、表面に斑点模様がついているために市場に出せない規格外の野菜もたくさんあります。ECサイトには、そういったスーパーには並ばないワケありの野菜も並び、消費者にとって選択の幅が広がるのもECならではの魅力でしょう。

“おいしく食べる” という応援が、農家さん、ひいては日本の農業を元気にし、Win Win な良いサイクルも生まれるはず。

スーパーでのお買い物と平行してECサイトも利用し、時々、農家さんからお取り寄せしてみるのはいかがでしょうか? いつもの食卓をさらに豊かにしてくれること間違いなしです。

 

たてやまかおり菜園」の情報はこちら>

WRITER

味原みずほ
Mizuho Ajihara

敬食ライター。フードアナリスト。都内飲食店を中心にマルシェ、農家、ブルワー、コーヒークリエイター、料理研究家など幅広く取材。好きな場所は道の駅とアンテナショップ。出身地の青森県七戸町(旧天間林村)は“にんにく”の名産地で、シーズンになると放課後は裏の畑で収穫や出荷のためのネット詰めを手伝っていたことも。おやつは自家製黒にんにく。