クレオパトラも愛した真っ赤なローゼル
おいしさを活かす3つのポイント

2022.11.17
WRITER/小島香住

ようこそ、オシャレ野菜の部屋へ
vol.12 ローゼル<Hibiscus Roselle>

コロンと丸いフォルムと、ルビーレッドカラーが目を引く“実”の正体は、ローゼルというハーブ。小さな実に詰まった栄養素は、かのクレオパトラも愛したのだとか。今回はローゼルのおいしさを活かすために知っておきたい、3つのポイントをご紹介します。

ハーブティーでは身近な存在だった!?

ローゼルの写真

 

ローゼルは、西アフリカ(エジプト)が原産のアオイ科の植物。本来は多年草ですが、エジプトよりも気温の低い日本においては越冬が難しく、一年草として栽培されています。


淡い黄色〜桃色の大きな花を咲かせ、花が終わった後には真っ赤な実をつけます。ローゼルの語源は「バラ(Rose)」なのですが、その花は同じアオイ科のオクラと瓜ふたつ。実も、短いオクラのようにも見えますよね。


学名の「Hibiscus Roselle」でお気づきのかたもいるかもしれませんが、じつはハイビスカスティーに使われているのはローゼルなのです。観賞用のハイビスカスと同じヒビスク属で、食用品種のローゼルはその色や風味の特徴もあり、ハーブティーとして身近に扱われているのです。


栄養面ではビタミンCやカリウムが豊富で、赤い色はアントシアニンというポリフェノールで抗酸化作用が高いことで知られます。また、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸が豊富で、ハイビスカスティーの酸味はこの有機酸によるものです。


これらの栄養素は、細胞の活性化・むくみの改善・疲労回復などが期待できます。これぞ、絶世の美女と言われたクレオパトラがローゼルを愛した理由なのかもしれませんね。

 

 

 

旬をおいしく味わうために、知っておきたい3つのポイント

ローゼルの写真

 

<ポイントその1>
メインで食用とするのは萼(がく)と苞(ほう)

ローゼルの写真

 

ローゼルの実は、大きくふくらんでいる萼(がく)と、付け根のトゲトゲの苞(ほう)をおもに食用にします。手で簡単にむくことができますが、赤い色素がついてしまうので、気になる場合は手袋などをするとよいかもしれません。


萼と苞をむくと中からあらわれるもの、じつはこれがローゼルの実。実を割ると中から小さな種が出てきます。実と種も食べることはできますが、今回はジャムのとろみづけと風味づけに活用する方法をご紹介します。

 

 

<ローゼルジャム>

ローゼル レシピ

【材料】ローゼル(むいた状態のもの)…100g、むいたローゼルの実…15個分くらい、水…200cc、砂糖…70g

【作り方】
ローゼルは萼と苞をむいて実を取り出す。
萼と苞は粗く刻み、実はお茶パックに入れる。
鍋にお茶パックに入れた実と水を入れ、火にかける。
沸騰したら弱火にして、とろみが出るまで煮る。
パックを取り出し、刻んだ萼と苞と砂糖を加えて弱火でトロトロになるまで煮込む。

【ひとことアドバイス】
・実を煮る時はふきこぼれやすいので注意してください。
・途中
アクが出てきたら、丁寧に取り除くと仕上がりがきれい
・お好みで仕上げにレモン果汁を加えるとすっきりめのい味わいに仕上がります。

 

 

 

<ポイントその2>
塩漬けにすれば、和食に様変わり!

ローゼルを使った料理

 

新鮮なローゼルは生で食べることもできます。酸味が強いので、サラダにトッピングするなど料理のアクセントとして使ってみましょう。


もしくは、刻んで塩漬けにしておくと、カリカリ梅のような酸味と食感が楽しめます。ごはんに混ぜておにぎりにすると、なんとも色鮮やか!エジプト原産のハーブが、和食にも違和感なく馴染んでいます。

 

 

 

<ポイントその3>
乾燥させれば、自家製ハイビスカスティーも

ローゼルのハーブティー


ローゼルの旬は短く、収穫できるのは11月〜12月初旬のみ。長く楽しみたいなら、ジャムや塩漬けよりも乾燥が長期保存に向いています。


乾燥ローゼルは、お湯を注ぐだけでハイビスカスティーに。はちみつなどでお好みの甘さに調整してください。


乾燥させたものをすり鉢で粉末にして、塩と混ぜたローゼル塩も、風味が楽しめておすすめ。グリルした野菜や、魚のカルパッチョなどにふりかけるだけで、料理がとても華やかになりますよ。

 

 

 

ひとつで3役以上をこなす、進化し続ける伝統野菜

ローゼルの写真

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クレオパトラをはじめ、古代エジプトやインドの王家では、不老長寿の秘薬として女性の美や健康に欠かすことのできなかったローゼル。今では食用としてだけでなく、化粧品の原料としても活用されています。ローゼルをこよなく愛する女性たちがいるのは、昔も今も変わらないのですね。

 


日本でも栽培地が増えてきていて、直売所や質販店では時期になるとパック詰めされて並んでいます。スーパーで季節の食材として手にすることができる日も近いかもしれません。

 

イラスト/中川美香

WRITER

小島香住
Kasumi Kojima

野菜ソムリエプロ&管理栄養士。食品メーカーでの営業・商品企画開発・メニュー開発などの勤務を経て、現在は1歳の男の子の育児をしながら、WEBサイトやInstagramで野菜の情報を発信。セミナー講師としても活動している。
「まんぷくベジでは、
野菜や果物のすばらしさをたくさんの方に知ってもらうため、おいしく食べて、キレイで健康に過ごすための情報を発信していきます!」