update - 2021.09.21

鴨志田農園に聞く「コンポスト」の話。

\月刊『散歩の達人』連動企画/

月刊『散歩の達人』202110月号掲載特集「今日の気分はベジタリアン」の、「お野菜取り寄せ体験記」でご紹介した鴨志田農園さんから伺った、誌面に載せきれなかったお話をご紹介します。
「コンポスト? 初耳!」という方も、美味しい野菜の秘密と都市型農業の可能性に触れてみてください。
最後には、鴨志田農園さんで購入できる秋野菜の情報もお伝えします。

お話を伺ったのは……

園主の鴨志田純さん
鴨志田 純(かもしだ じゅん)さん

1986 年東京都三鷹市生まれ。コンポストアドバイザー。鴨志田農園園主。ネパールのカトマンズ州ティミ市を中心に生ごみ堆肥化と有機農業のシステムづくりを行う。一般財団法人つちのと理事。

 

 

Q.農園長・鴨志田さんの主な活動内容を教えてください。

A.東京都三鷹市にある鴨志田農園で、契約しているレストランの料理に合わせた野菜を栽培しています。コロナ禍になってからは、飲食店向けの目処が立たず、個人向けの宅配に変更しました。そして農業と同時に、コンポストアドバイザーとして、ネパールのカトマンズ州ティミ市を中心に、生ごみ堆肥化と有機農業のシステムづくりも行っています。最近では、黒川温泉の食品黒川温泉の食品残さを堆肥化したりしています。

現在はコロナ禍ということもあり、パートナーのサーキュラーエコノミー研究家・安居昭博氏と共に、国内に専念して、コンポストプロジェクトを全国各地で実施中です。

熊本県南小国町の温泉地「黒川温泉」のコンポスト事業にはアドバイザーとして関わったり、立命館大学の衣笠キャンパスでのプロジェクトをお手伝いしたり。いずれも、現地の方達と一緒に進めることを大切にしています。

 

鴨志田さんがネパールに訪れたときの模様
ネパールに訪れたときの模様。

 

 

Q コンポスト… 最近耳にしますがどういうものなのでしょうか?

A.生活の中で出る生ごみを、土と微生物の力で分解し、堆肥にする作業です。もみ殻、米糠、落ち葉などを加えて「堆肥」を作り、適量の水を加えてかき混ぜる「切り返し」という作業を繰り返すことにより発酵を行い、生ごみを投入し分解をさせることで、ゴミを出さずに小さな循環型システムを生み出せます。昔から伝承された、日本の知恵です。

 

 

Q SDGs12番目「つくる責任、使う責任」の目標にも沿った素敵な取り組みですが、一般の人間にも参加できることなのでしょうか?

A. 可能です。最近、一般の方が資源循環に参加しやすいかたちを模索中で、当園にて2021年の3月から「サーキュラーエコノミーCSA」という実証実験を開始しました。こちらは年間契約の野菜販売とともに、各家庭から出てきた食品残さを当園で堆肥化し、また野菜を購入下さっている皆さんの野菜を作る肥料に活用していくという試みです。

 

鴨志田さんの農作業の様子。
9月の農園の様子。

 

 

 

Q.鴨志田さんが生み出した、コンポストによる循環型システムとは、具体的にどのようなものですか?

A. 家庭で出た生ごみを堆肥の材料とし、生ごみ→堆肥→野菜→生ごみ→堆肥という、消費者と生産者の間で資源(野菜)を循環させるという取り組みです。

鴨志田農園としては最近は、オンラインマルシェだけに頼らず、自らのサイトも立ち上げて、近隣の方達に会員制で野菜キットを販売しています。そして、購入して頂いた専用ケースへ、消費者の方々には生ごみを入れてもらい、堆肥の材料にするために送り返してもらうという新たな価値を付け加えました。

 

Q.遠い地域の取り組みとして、熊本県黒川温泉での「食品残さを堆肥化」についても教えてください

A.黒川温泉は、里山の温泉地であり、自然の恵みが詰まっています。その環境に負荷をかけないために、旅館から出る生ごみを堆肥化し、近くの生産者に配ったり、その野菜を旅館でお客様においしくお召し上がりいただいたり、という循環を目指しています。

この大きな循環を、家庭単位の小さな循環にもつなげていければ、自然と人間がうまく共存できる良い町になるのではないのかなと思っています。

「黒川温泉一帯地域コンポストプロジェクト」と名付けられたこの取り組みを紹介する動画があります。良かったら見てみてください。

 

 

 

Q.『散歩の達人』202110月号が発刊される頃に販売予定のお野菜と、消費者はどこから購入したら良いか教えてください。

A.秋に収穫予定なのは、甘長とうがらし、ピーマン、なす、落花生、春菊、ミックスリーフ、さつまいも、鷹の爪、青ゆず、菊芋、里芋、ほうれん草、カブ、小松菜などです。購入は「食べチョク」「ポケットマルシェ」「アウル」さんのほか、当園のSNSにお問い合わせいただければ、予約制の店頭受け取りで野菜セットの販売も可能です。

 

 

Q.SNSといえば、鴨志田農園さんのInstagramにはいつも美味しそうなお料理とレシピが紹介されていて、ファンも多いです。中でも、とくに好評なレシピは何ですか?

A.今の時季は購入いただいた方からは「甘長唐辛子のじりじり焼き」を一番作っていただき、好評いただいています。

#鴨さんの甘長唐辛子(ハッシュタグ) - Instagram

 

 

 

 

三鷹にある鴨志田農園で季節の野菜を購入するのはもちろん、鴨志田さんのアドバイスをもとにしたコンポスト事業が全国で拡がると、私たち消費者は、生産者の作った野菜を購入しいただくという一方向だけではなく、生産のための堆肥化に一役買う、双方向の流れにも関わりやすくなります。

これからの鴨志田さんの野菜も事業も、注目です! 

DATA

鴨志田農園
東京都三鷹市上連雀6-31-16

Instagram @kamoshida_farm