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vol.19 シーアスパラガス<Sea asparagus>
vol.19 シーアスパラガス<Sea asparagus>
スーパーで見かけることはあまりないシーアスパラガス。その生態も食べ方も知らない方が多いのではないでしょうか。今回は、シーアスパラガスのおいしさを活かすために知っておきたい、3つのポイントをご紹介します。
海藻ではなく、塩田で育つ植物
シーアスパラガスを直訳すると「海のアスパラガス」。細いアスパラガスのような形をしていますが、海ではなく塩田で育ち、オカヒジキなどと同じヒユ科の植物です。日本では北海道の厚岸で見つかったことから「厚岸草(アッケシソウ)」と呼ばれます。しかし、塩田の減少などもあり2000年に絶滅危惧種に指定され、日本でシーアスパラガスを獲ることはできません。そのため、現在日本で流通するものは輸入品のみなのです。
シーアスパラガスは1年草で、秋には紅葉するのが特徴。赤く染まった様子から「珊瑚草」と呼ばれることもあり、生息地は観光スポットにもなっています。
塩田で育つシーアスパラガスは、塩味がついているので、海外では生でサラダにすることも。鮮やかな緑色がお皿に映えます。食感はソフトでコリッとした歯触りが心地よく、ビタミンやミネラルが豊富で、アンチエイジング食材として海外で大きな話題になったこともあるんですよ。もしかしたら、海外企業の会員制倉庫型店舗で見かけたことがある方もいるかもしれませんね。
ビタミンはA・B2・B6・葉酸・C、ミネラルはナトリウム・マグネシウム・カルシウム・カリウム・鉄・ヨウ素が含まれ、ほかにも食物繊維も含まれています。
旬をおいしく味わうための、知っておきたい3つのポイント
<ポイントその1>
食用に向くのは、やわらかい若芽の部分
1本からいくつも枝分かれして育つシーアスパラガス。大きく成長すると、茎が太く硬くなっているため、枝分かれしている若芽の部分が食用に適しています。3?10cmくらいの長さのものが食べやすく、料理にも使いやすいですよ。
パック詰めのものは、若芽だけが詰められているので、とくに気にする必要はないでしょう。
<ポイントその2>
塩抜きは料理に合わせてお好みで
生でも食べられるシーアスパラガスですが、塩味がしっかりしているのが気になる方も多いかもしれません。熱湯で茹でて塩抜きすると食べやすくなるので、下茹でするのが一般的ですが、塩味を活かしてシーアスパラガスを調味料代わりに使ってみるのもいいでしょう。料理や味付けの好みに合わせて調整してみてくださいね。
<シーアスパラガスとマグロのポキ>
【材料】
シーアスパラガス…30g、マグロ…150g、アボカド…1/2個、紫たまねぎ…1/4個、★しょうゆ…大さじ1、★レモン果汁…小さじ2、砂糖…小さじ1/2、★おろしにんにく…小さじ1/2、★ごま油…小さじ1/2
【作り方】
①シーアスパラガスは沸騰したお湯で1分ほど茹でたあと、30分ほど水にさらしてから、2cm幅に切る。
②マグロとアボカドは2cm角に切り、紫たまねぎは薄くスライスする。
③ボウルに★を混ぜ合わせ、①と②を加えてやさしく和える。
【ひとことアドバイス】
・シーアスパラを下茹でせず使う場合は、しょうゆの量を調整してください。
・マグロ以外にもサーモンやカツオなどでもお作りいただけます。
・仕上げに炒りごまや焼き海苔を乗せるのもおすすめです。
<ポイントその3>
保存は小分けで冷凍が便利
シーアスパラガスが出回るのは、収穫期の春?夏の間だけ。日本では初夏から店頭に並び始めます。取り扱い店もまだ少ないため、見つけたらぜひ買っておきたいですね。
食べきれない分は、下茹でして水を拭き取ったら、使いやすい量に小分けして冷凍保存がおすすめです。炒めたり、スープに入れたりする場合は、冷凍のままで使用OK。サラダなどにする場合は自然解凍してください。下茹で済みなので、そのまま使えてとても便利ですよ。
少量でも料理のアクセントになる!
???日本では絶滅危惧種に指定されているシーアスパラガスですが、海外では栽培もされていて、身近な食材として食べられています。鮮やかな緑色とコリっとした食感、そして塩味は、少量使うだけでも料理のアクセントになりますよ。輸入食材を扱うスーパーなどで手に入り、価格も手頃なので、ぜひ味わってみてください。
イラスト/中川美香
WRITER
野菜ソムリエプロ&管理栄養士。食品メーカーでの営業・商品企画開発・メニュー開発などの勤務を経て、現在は1歳の男の子の育児をしながら、WEBサイトやInstagramで野菜の情報を発信。セミナー講師としても活動している。
「まんぷくベジでは、野菜や果物のすばらしさをたくさんの方に知ってもらうため、おいしく食べて、キレイで健康に過ごすための情報を発信していきます!」
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