春キャベツ、菜花、クレソン。春に食べたくなる、カラフルなお野菜トーク

まんぷくベジ座談会 〜3月編〜
【野菜を毎日!まんぷくベジ350プロジェクト】

野菜好きが集まる、まんぷくベジ編集部。「最近、お店で〇〇が並びはじめたよね」「今って、どんな野菜に注目してる?」など、野菜談義は尽きません。そこで、野菜ソムリエで管理栄養士でもある小島香住さんを交えて、編集部メンバーがどんなトークをしているのか、毎月ご紹介。

 

今回は、海外にルーツをもつスタッフも途中参加して、桜前線とともに北上するという旬の春野菜トークで盛り上がりました。

<座談会参加者>

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小島香住さん
野菜ソムリエプロ&管理栄養士。食品メーカーでの営業・商品企画開発・メニュー開発などの勤務を経て、現在は2歳の男の子の育児をしながら、WEBサイトやInstagramで野菜の情報を発信。セミナー講師としても活動している。「まんぷくベジ」メンバー。
 
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スタッフ4名
あり、くりた、ささか、ズルフィヤ(ウズベキスタン出身)。「野菜350g」をまんぷくベジも提唱します!でも、実際に何に気をつければいいのかなど、疑問だらけ……。
 



 

旬の春野菜は、桜前線とともに南から北上してくる!?

キャベツ畑

 

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あり
 
暖かな日も増えてきて、着々と春に向かっている感じですね。これから春野菜が楽しみな季節だと思いますが、気になる野菜はありますか?
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ささか
 
昨日、スーパーで春キャベツと柚子胡椒のサラダを見かけました。3月に入って、少しずつ春キャベツも店頭に並びはじめますかね~。
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小島さん
春キャベツは、南の方の暖かい産地から出はじめるんですよ。新じゃがも鹿児島産のものはすでに店頭に並んでいますね。
 
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小島さん
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くりた
 
春野菜って、南の方から届きはじめるんですね。まさに、桜前線とともに!
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あり
 
毎日買い物をしていると、野菜の価格が最近ものすごく高くてびっくりします。とくに、生のサラダを作ろうと思うと、レタスもきゅうりもトマトも、とにかく定番野菜が高い……。
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小島さん
今、光熱費がすごく上がっていますよね。そうすると、ハウスを温めるための電気代やガス代にも影響し、それによって野菜の値段も高くなっているんです。
 
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小島さん
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くりた
 
そういう意味でいうと、露地栽培ができる旬の野菜は影響が少ないってことですかね。それでいて、安くておいしいならいいことばかり!野菜の値段が高騰している時期だからこそ、旬の野菜を積極的に食べるのもいいかもしれないですね。
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小島さん
光熱費のこともそうですが、野菜を運ぶのに輸送費もかかります。そういう意味では、国消国産も大事ですけど、地産地消ともう少し狭いエリアにも目を向けてみてはどうでしょう。地元で採れたものを地元で消費することで、輸送費もかからないし、何より新鮮な野菜が手頃な価格で手に入りますよね。
 
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小島さん

 

 

食用菜花に土筆など、春の訪れを知らせてくれる野菜たち

菜花のおひたし

 

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くりた
 
私が春になると必ず食べるのが、菜花です。実はずっと疑問に思っていたのですが、「菜の花(なのはな)」と「菜花(なばな)」って違う植物ですか?
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小島さん
道端に咲いている菜の花は食べられないんです。「菜の花」は特定の植物を指すのではなくて、アブラナ科アブラナ属のすべての花を「菜の花」と呼ぶんですね。その中に「菜花」という品種があって、それが一般的にはスーパーで「食用菜花」として売られているものです。この「菜花」は、「なたね油」を採るための品種なんですよ。
 
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小島さん
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あり
 
そうなんですね!ずっと、食用の菜花も、野に咲いている菜の花も同じ品種だと思っていました。植物の中で同じ見た目でも、食べられるものと食べられないものがあるって面白いですね。それで言うと、土筆(つくし)ってみなさん食べたりしますか?
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くりた
 
私の実家では、桜が咲く1週間ぐらい前にシュッと土筆が出ると、急に親が色めき立って、土筆を摘みに行かされましたね(笑)。
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ささか
 
土筆は、お浸しで食べることが多いですよね。卵とじにしてもおいしかったことを思い出しました。                                        

 

つくし

 

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ズルフィヤ
 
土筆を食べるって、びっくりしました!                                        
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あり
 
海外から日本に来ると、驚きの食材ってたくさんありそうですね。              
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くりた
 
山菜も、日本らしい食材かもしれないですね。ズルフィヤさんが山菜を最初に食べたのはいつですか?
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ズルフィヤ
 
大学の食堂に山菜そばのメニューがあって、それを食べたのが最初です。当時は何なのかもわからない緑色の具材が入っていて謎だったけど(笑)、爽やかさがあっておいしくて、よく食べていましたね。山菜そばは安かったですし。最近食べておいしいなと思ったのは「うど」。お店で食べたのですが、細切りのうどの上に梅肉がのっていて、シャキシャキ感が絶妙でした。

あと、日本に来て驚いたのが、葉物の多さです。チンゲンサイや春菊は、何の野菜か、どう調理していいか全然わからなかったです。
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ささか
 
ズルフィヤさんの出身であるウズベキスタンでは、どんな野菜がよく食べられていますか?
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ズルフィヤ
 
野菜だと、キャベツやじゃがいもなどはよく食べましたね。でも、じゃがいもは日本みたいにいろいろな種類はなくて、“じゃがいもはじゃがいも” です。じゃがいもにも種類があることを、日本に来てはじめて知りました。あと、果物の種類も本当に多いと思います。 “オレンジはオレンジ” “いちごはいちご” として売られていることが一般的ですし。
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小島さん
日本の場合は、いちごは必ず品種名で売られていて、「いちご」という名前では売られていないですもんね。果物が品種名で売られているのは、日本独特で面白いところかもしれませんね。
 
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小島さん

 

 

黄色やグリーンのカラフル野菜で、春らしい食卓の演出も

竹林と筍

 

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あり
 
3月の食卓には、どんな野菜料理が並びますか?                                         
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ささか
 
私の中では、3月はお浸しのシーズン!青菜が多くなる季節は、とにかく楽しみです。秒単位で茹で加減や歯ごたえも変わってきますよね。私はその辺うといので、夫がこだわって、細かく測って料理してくれます。
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くりた
 
私は春らしいカラフルな一皿をインスタなどで見かけると、たまらなくなりますね。菜花の黄色と、青菜の濃い緑色と、そらまめなどの黄緑色などの組み合わせ、最高ですね!
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あり
 
私はおひなさま当日には、菜花などで華やかに盛り付けしてみましたよ。黄色は春を感じますよね~。

 

ちらしずし

 

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あり
 
豆ご飯もおいしいですよね。たけのこもそろそろ出てくるし、個人的には炊き込みご飯が食べたくなる季節です。
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ささか
 
私はスナップエンドウもけっこう好きですね。色が明るいから、彩りを加えるのにもいいですよ。
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くりた
 
スナップエンドウは、たとえば櫻井翔くんみたいにクセがなくて人気者で、どんな番組でもハマる野菜なのかも。いわば、春のアイドル的存在!?
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小島さん
私はクレソンを見かけると、けっこう上がります。お肉との相性がよくて、苦味が少しあるので、肉料理がさっぱり味わえるんです。それと、加熱してもへたりにくいので、鉄板料理の上にのって出てくることが多いですよね。
 
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小島さん
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あり
 
クレソンはどんな風に食べるのがおすすめですか?
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小島さん
シンプルにお浸しもいいですよ。あとは、スープに入れたり、サラダや天ぷら などにするのもおいしいですよ。
 
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小島さん
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くりた
 
クレソンは、野菜の中でちょっといい女って感じの存在かな。                                      
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ささか
 
じゃあ、春のスター野菜は、やっぱりたけのこですかね!                                        
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くりた
 
3月は忙しくて、ゆっくりたけのこの下処理ができないんですよね。だから、下処理済みのたけのこを八百屋さんなどで見つけると、ここぞとばかりに飛びついて買います!(笑)

 


 

季節の訪れを店頭に並びはじめた野菜で知るのは、なんとも幸せなこと。気分をあげたい時は、自分のお気に入りの野菜を選んでみたり、特別なものをお取り寄せしてみてはいかがでしょうか。優しい色合いの菜花や、黄緑色のスナップエンドウやアスパラガス、種類豊富な葉物たちが、春の食卓を彩ってくれるはずです。

WRITER

内田あり
Ari Uchida

フリーランスの編集ライター。食・子育て・住宅・インテリア・植物・ガジェットなど多岐にわたるジャンルで、ムックや雑誌、フリーペーパー、WEBコンテンツなどで執筆。高校生と中学生の2人の娘をもつ母であり、子どもたちの野菜嫌いを克服させるべく、献立に頭を悩ませる日々。野菜不足になりがちなので、毎日の食卓には手作りのピクルスを添えるよう心がけている。