心地のよい選択の連続が世界を鮮やかにする
ベジタリアン、ヴィーガン、パートタイムヴィーガン…etc。特に「ヴィーガン」のライフスタイルに興味はあるけど、実際には自分の生活とは遠すぎると感じていませんか。言葉や考え方にとらわれず、選択肢は多い方がいいですよね!
ライターのyukikoさんの食スタイルは、ヴィーガンをベースにした「フレキシタリアン」。芯があるけど自由で、しなやかな暮らしを送る彼女の“リアル”を、前編・後編の2回に分けてお届けします。
動物愛護、環境問題、健康志向etc。昨今、ヴィーガンを選択する理由はさまざまありますよね。決してめずらしいことではなくなりました。ところが、この度自身の食生活についてコラムを書かせてもらうことになった筆者は、1年半ほど完全なヴィーガンを実践した後、ヴィーガンの食事スタイルを中心に、時々肉や野菜も食べるフレキシタリアンへと移行済み。現在もフレキシタリアンです。みなさんが想像する「ヴィーガン」ではありません。
ここでは、複数のフェーズの食生活を体験したことで見えてきた、ヴィーガンの魅力を”着飾らずに”、お届けしていこうと思います。前編となる今回は、私のヴィーガンとの出会いから。
友人たちがキラキラし出したものだから
そもそも私がヴィーガンを始めたのは、友人たちの影響です。それこそ当初は「へー、そんなのあるんだ」っていうくらい。けれど、みるみるうちにスッキリした見た目になり、内側から発光しているかのように魅力的になった友人たちを目の当たりにして、「ちょっとヴィーガン、そんなにすごいの……?」と。
彼女たちの生まれ変わったかのような変身ぶりは、私をすぐに行動させたのでした。(言ってしまえば、動物愛護や環境保護の意識は後天的なものだったのですね。)
私も同様のプロセスを経ることで、友人たちと同じような結果を得られました。
冷え、むくみ、慢性的な疲労感、目覚め・寝つきの悪さなどの、できることなら改善したいけれど、取り立てるほどでもない小さな不調。こういった症状は私の場合、ヴィーガン生活でまとめて軽減されていきました。毎日がなにしろ軽やか。体調の変化だけを見ても、ヴィーガンの計り知れない可能性に驚いたものです。
自分と、世界と出会い直す ”視点”
ヴィーガンは、植物性のものだけで食生活を送ります。ストイックなイメージを持つ人もいるかもしれません。
それはむしろ、世界のありようを、より細やかに写し出すひとつの”視点”となり、生活の彩度を上げてくれました。
初のヴィーガン生活には、身体の変化以上に、思いがけない気づきに満ちていたのです。
物事の”向こう側”が見えてくる
ヴィーガンの世界に足を踏み入れた後、食のみならず、化粧品、ファッション、そして美容院のヘアカラー剤にまで、ヴィーガンが取り入れられていることを知りました。そうしてごく自然な形で、ヴィーガンを生活全体に取り入れるようになりました。
生活の多くのシーンで、ヴィーガンはひとつの選択肢となり得るのだと、腑に落ちたのです。
食生活をきっかけに、今までなかった新しい基準を自分の生活のあちらこちらに取り入れる。決して無理なく、というかむしろ、"心が踊る” 習慣となっているのは、ヴィーガンの持つ心地よさであるように思います。
例えば、物事の開発、生産などあらゆるフェーズで動物実験が行われていないことを示す、クルエルティフリーの商品を購入するとします。それは同時に、その商品の動物愛護の”物語の一部”に、私自身もなれたような、不思議なあたたかみを感じられるのです。そういう、自分以外の命や生活と共に在る自分の選択と行動は、自分の趣味嗜好のみのそれとは、まったく異質なものだったのです。
生き物への愛情や、今も未来も慈しむ姿勢は、”推し量る優しさ” を生活に添えてくれました。
存在を見ることができない物事は、ヴィーガンという視点で鮮やかに立ち現れていきました。
ヴィーガンは、闇夜に埋もれた星々を、くっきりと映し出す望遠鏡だったのです。
ヴィーガンの単位は1アクションでいい
ヴィーガンの持つロマンチックな側面は、生活の彩度をぐんと上げてくれるでしょう。コスメでも、ファッションでも、何でもいいと思います。
もし悩んでいる場合は、一杯のカフェラテからスタートしてみてはいかがでしょうか。豆乳、アーモンドミルクやオーツミルクなど、今では植物性ミルクも豊富に流通しているので、自宅でもトライしやすくなりました。
私がモットーにしているのは、生活の中の1アクションにヴィーガンの思想を取り入れること。
自分らしいヴィーガンとの付き合い方、距離感が掴めてきたら、あとは自動操縦。あなたが心地いいと感じるヴィーガンライフが築いていけるはずです。
そうして形作られた私の生活は、”フレキシタリアン”というスタイルに現在は落ち着いています。そこで次回は、私がヴィーガンからフレキシタリアンへと移行したきっかけをお伝えしていきますね。
yukiko (ライター / コラム二スト )
出版社での編集経験や会社員を経て、ライター / コラムニストとして独立。フランス関連、エンタメやカルチャーなど幅広く執筆する傍ら、フレキシタリアンとしてヴィーガンを食生活に取り入れている。特に日本古来の発酵文化に強い関心がある。が、一度味噌づくりに失敗した経験あり。
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