11月1日は『世界ヴィーガンデー』。
地球にやさしいこと、してみませんか?

ヴィーガンデーは動物、自然環境、飢餓に苦しむ人々にやさしい記念日。そして、私たち自身が、世界でいま起こっていることを再考する日でもあるのです。

11月1日の『世界ヴィーガンデー』をきっかけに、何かをはじめたり、地球環境について考える時間をもってみてはいかがでしょうか。そのヒントを、連載コラム「野菜を愛する、小さなカフェ便り」でヴィーガンライフを紹介している篠宮美穂さんに教えてもらいました。

以前からヴィーガンに興味があったり、ヴィーガンライフをはじめてみたいけれど、どうしたらよいのかわからない……。そんな思いをもつ人は、意外と多いのではないでしょうか。
 

とはいえ、毎日、毎食をヴィーガンにするのはちょっと難しいですよね。その気持ち、よくわかります。私もヴィーガンについて学びはじめて、完全にヴィーガンになるまでは、ずいぶん長い道のりを歩んできましたから。
 

そのおかげで、自分のスタイルに合ったヴィーガンライフを楽しめています。大切なのは、最初から無理をしないこと。そこで、ちょっとでもヴィーガンに興味があるのなら、自分のペースで楽しめる“パートタイムヴィーガン”にトライしてみてはいかがでしょう?
 


そこで、私が実践したこと、していることをご紹介します。

 

 

1.外食でヴィーガンフードを試してみる

THREEのランチ写真
レストラン「THREE TOKYO MIDTOWN HIBIYA」にて。初心者なら、少しずついろいろ楽しめるお店もおすすめ。


まずは、外食でヴィーガンフードを食べてみてください。最近は、ヴィーガン専門のお店や、ヴィーガンメニューが食べられるお店もどんどん増えていますよね。もちろん、シンプルに楽しむだけで充分! 私の場合は、外食することで新しいアイデアをもらえたり、料理に対する創作意欲がわいてきます。

 

2. 野菜だけの料理を作ってみる

野菜だけのプレート
手前から時計まわりに、サツマイモとタイムのソテー 塩麹とともに、水菜と香草のシンプルサラダ アーモンドとドライトマトのトッピング、ピーマンの自家製味噌炒め。

 

地元でとれた旬の野菜が手に入るなら、野菜だけの料理を作ってみましょう。野菜の甘みや辛みを味わい、新鮮な野菜の色を楽しみ、香りをかいでみてください。今まで味わったことのない野菜に挑戦してみるのも、いい機会かもしれません。

 

 

3.家族や友だちとシェアする


ネットでレシピを検索したり、レシピ本を参考にして、家族や友だちとヴィーガンクッキングを楽しんでみるのもいいですよ。一人で頑張るより、仲間がいた方が心強いし、何といってもみんなでシェアするのは幸せなことですよね。

たとえば、家で簡単にできるヴィーガン料理はおみそしる。
鰹のだしを使う代わりに、昆布またはしいたけでだしをとります。野菜や豆腐、細かく切った高野豆腐などを具材として使えば、これも立派なヴィーガン食。野菜をたっぷり入れると、素材本来の甘みだけでだしが出ますよ。

 

 

4.自然派コスメやスキンケアアイテムを選ぶ
 

ヴィーガンのコスメアイテムやスキンケアアイテム、ヴィーガンファッションをチェックしてみましょう。日本ではまだまだ手に入りにくいのですが、限られた中で、自分なりに工夫してみるのも案外楽しいですよ。私の場合、化粧品などはできるだけ手作りをしています。

ヴィーガンファッションは、たとえばオーガニックコットンやリネン、ヘンプ繊維など、自然由来の素材を使った衣類のこと。ファッションはデザインやカラーも大切ですが、ちょっと意識して素材から選んでみるのもいいですよね。私の場合、ヴィーガンになってからは革製品やファーが含まれているものは買わないようにしていますが、昔から使っているものは大切に最後まで使うか、まわりの人に譲ったりしています。


 

5.本や映画でヴィーガニズムを学んでみる


ヴィーガニズムについての本や文献、映画、栄養学について学んでみると、また違った視点が生まれます。そして、家族や友だちと話してみるのもいいでしょう。私にとっては、このような学びは、ヴィーガンをずっと続けていく過程でとても大切なこと。自分が何のためにヴィーガンをしているのか、自分の身体や心のバランスのためにはどのような栄養素が必要なのかなどを常に学び、考えているのです。

 

 

〈美穂さんおすすめの書籍〉

チャイナ・スタディー 葬られた「第二のマクガバン報告」
T・コリン・キャンベル著、トーマス・M・キャンベル(著)/グスコー出版

本の表紙
グスコー出版


全米で大ベストセラーとなった『THE CHINA STUDY』を完訳。「栄養学のアインシュタイン」と呼ばれる世界的権威である博士が疫学大調査を行い、衝撃の事実を公表。果たして、「食と病気」の真の関係とは?


 

 

〈美穂さんおすすめの映画〉

Cowspiracy:サステイナビリティ(持続可能性)の秘密
2014年製作/アメリカ

映画のジャケット
制作会社/A.U.M FILMS


私たちが日々食している肉を生産する畜産業こそが、気候変動の大きな原因となっている現状を伝えるドキュメンタリー映画。自分たちのため、そして子どもたちのために、地球環境を守っていくことがどれだけ大切なのかを伝えてくれる。NETFLIXで視聴可能。

公式サイトはこちらより

 



アース
2008年上映/ドイツ、イギリス

アースの映画のジャケット
配給会社/ギャガ・コミュニケーションズ


海洋ドキュメンタリー「ディープ・ブルー」のスタッフが再集結し、5年の歳月を費やして製作された自然ドキュメンタリー映画。ホッキョクグマやアフリカゾウ、ザトウクジラなどの生き物が、厳しくも美しい自然の中で生きる様子をダイナミックな最新鋭映像で届ける。Prime Videoで視聴可能。


※情報は2021年10月現在のものです

 

 

今年の世界ヴィーガンデー、あなたはどんな選択をしますか? もし、はじめてトライするのであれば、まずは自分でできそうなことからはじめてみるのがいいでしょう。自分のちょっとした選択や行動が、地球環境に少しでもやさしい行為であると意識するだけでも、きっと意味があるのではないでしょうか。

 

 

 <プロフィール>

 みほさんの画像

篠宮 美穂(しのみや みほ)

 ヴィーガンシェフ、ヴィーガン料理研究家、「MNEMONIC BEVERAGES」ディレクター。カフェを12年経営。渡米してヴィーガンカフェで働きながら、ヴィーガン料理、概念について学ぶ。現在は日本で、地球にやさしくユニークなプロジェクトを立ち上げ中。趣味は自家製酵母のパン作りと、ヴィーガニックコンポストの土づくり。連載コラム「野菜を愛する、小さなカフェ便り」でヴィーガンライフを紹介している。

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