真っ赤な茎をもつ、魅惑の西洋野菜
ルバーブのおいしさを活かす3つのコツ

ようこそ、新顔野菜の部屋へ
vol.1 ルバーブ<Rhubarb>

ふきに似た、真っ赤な茎をもつルバーブ。みなさんは、食べたことはありますか? この見た目からは、味の想像ができないという方も多いでしょう。
ルバーブは、あんずのような独特の香りと、少しクセのある強い酸味が特徴的。砂糖で煮てジャムにしたり、お菓子作りに使われたりすることが多い野菜です。
そこで今回は、ルバーブのおいしさを活かすために知っておきたい、3つのコツをご紹介します。

赤色の正体は、ポリフェノール
むくみ解消やデトックス効果も!

ルバーブの写真


ルバーブは、シベリア原産の野菜ですが、ヨーロッパやカナダで多く栽培されています。日本へは明治時代にやってきましたが、当時はその独特の風味が好まれず、日本人にはあまり受け入れられなかったそう。その後、長野県の外国人避暑地などで食べられるようになり、現在では長野県や北海道など、比較的寒い地域で栽培されています。
 

ルバーブの大きな特徴は、なんといっても、真っ赤な茎部分。この赤色の正体は、ポリフェノールの一種である「アントシアニン」です。植物を紫外線などから守るために蓄えられた青紫色の天然色素で、動脈硬化の予防や眼精疲労の予防、アンチエイジングなどに効果があるといわれています。


生のルバーブは、23kcal/100g※とカロリーが低く、とてもヘルシーな食材です。さらに、カリウムが豊富なことも大きな特徴のひとつ。ビタミンCをはじめとしたビタミン類、葉酸、食物繊維も豊富です。また、むくみの解消やデトックス効果、便秘解消なども期待できるとか。
 

出展:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

 

 

旬ものをおいしく味わうための、
知っておきたい3つのコツ

ルバーブのお皿のイラスト

 

 

<ポイントその1>
ルバーブの味を引き出すには、下処理が肝心!

ルバーブの茎の写真


ルバーブは、風味にちょっぴりクセがあり、手を加えて食すのが一般的。たとえば、サラダに入れたり、スープに加えてみると、日々の食生活に手軽に取り入れることができます。もし、クセが気になる場合は、ジャムなどお菓子作りに使ってみましょう。


ルバーブをおいしくいただくには、下処理がポイント。ルバーブの
皮は繊維質なので、口当たりをよくするためには、皮をむきましょう。ふきやセロリの筋をとるような感覚です。アクもあるので、生で食べるときには10分ほど水にさらしアク抜きをします。


ただし、食用にできるのは茎の部分のみ。葉は硬く、有毒なシュウ酸を多量に含むことから食べることができません。調理をするのは、歯を取り除いた茎部分のみにします。

 

 

<ポイントその2>
春と秋では、ルバーブのジャムの味は変わる!?

ルバーブのジャムの写真

 

実はルバーブ、春と秋で味わいが少し違います。春のルバーブは、少し酸味が強く、それでいてフレッシュなのが特徴。秋のルバーブは酸味がやわらぎ、少しソフトな食感になります。ジャムをつくるときは、同じレシピでも季節によって仕上がりが変わってくるので、砂糖やレモン果汁の量、加熱時間を調整するようにしましょう。

 

<基本のジャムレシピ>

材料
ルバーブ…300g、砂糖…150g、レモン果汁大さじ1

作り方
①ルバーブは2~3cm
幅にカットして鍋に入れ、砂糖をまぶす。
②そのまま、30分~1時間おく。
③水分が出てきたら中火にかけ、かきまぜながらひと煮立ちさせる。
④弱火にしてアクを取りながら、10~15分煮込む。
⑤仕上げにレモン果汁を加え、混ぜ合わせる。

 

砂糖を加えて弱火で煮込むと、酸味の効いた赤いジャムに。ヨーグルトなどの乳製品ともよく合います。また、大きめにカットしてコンポートにしたものは、パイやタルトにのせたり、ゼリーにしたりと、お菓子作りに幅広く活用することができます。砂糖の甘さが加わると酸味が和らぎ、甘酸っぱさがやみつきになることでしょう。さらに、スパイスを効かせてチャツネにしておけば、カレーの隠し味などにも使うことができますよ。

 

また、少し酸味の強い春のルバーブは、薄くスライスして生のままサラダとしても味わうと、食感や酸味が楽しめます。酸味がお好きな方にはおすすめの食べ方です。

 

 

<ポイントその3>
赤色と緑色のルバーブは、見た目も味も違う!

ルバーブのカラフルな写真

 

ルバーブには赤色と緑色の種類があるのはご存知でしょうか。緑色でも、アントシアニンは含まれていますが、赤色の方がその量が多いのです。ジャムにしたときの仕上がりの色も違いますし、その味わいも少し違ってきます。


ルバーブのジャムは
赤色のイメージが強いですが、すこし繊維質で香りがやや弱め。緑色の方が味や香りが高くやわらかいのでルバーブ好きは緑色を好むことも。2色のジャムで、色や味わいの違いを楽しむのもいいですね。

 

 

 

これからますます注目度アップ!? 大きな魅力を秘めたルバーブ


日本ではまだなじみのない野菜のひとつかもしれませんが、その見た目からは想像もできない個性的な味わいと、汎用性の高さに大きな魅力を感じます。おいしいだけでなく、若々しく健康でいるために欠かせない栄養素が豊富だなんて、これからもっと人気者になりそうな予感がします。

 

酸味が苦手な方や、はじめての方は、ジャムなどからデビューしてみるのもよいかもしれませんね。国産ものは5〜10月ごろに出回ります。店頭でなかなか出合えない場合は、野菜の通販を利用すると手に入れやすいでしょう。ぜひ、みなさんもルバーブを味わってみてください。

 

イラスト/中川美香
 


 

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WRITER

小島香住
Kasumi Kojima

野菜ソムリエプロ&管理栄養士。食品メーカーでの営業・商品企画開発・メニュー開発などの勤務を経て、現在は1歳の男の子の育児をしながら、WEBサイトやInstagramで野菜の情報を発信。セミナー講師としても活動している。
「まんぷくベジでは、
野菜や果物のすばらしさをたくさんの方に知ってもらうため、おいしく食べて、キレイで健康に過ごすための情報を発信していきます!」