あの人と“食べる”を話そう
まんぷくべジinterview VOL.4

WRITER/味原みずほ

“ひと粒いちご”に一目惚れ!原宿ベリーの魅力に迫る

ひと粒、ひと粒、丁寧に包まれた大粒のいちご。「ハピマルフルーツ神楽坂 本店」の店頭に並んだいちごは、まるで宝石のような存在感で、街ゆく人々の目を引き付けます。4月15日、2店舗目となる東京ドームシティ ラクーア店がオープン。新店舗の紹介とともにいちごの新ブランド「原宿ベリー」の魅力を、「ハピマルフルーツ」を運営する株式会社ハピマルシェPR担当の笹了子(ささ・りょうこ)さんと、小売店責任者の中平明希さんにお話しを伺いました。

株式会社ハピマルシェPR担当の笹さん(写真右)と小売店責任者の中平さん
お話しを伺ったのは、株式会社ハピマルシェPR担当の笹さん(写真右)と小売店責任者の中平さん。ハピマルフルーツ 東京ドームシティ ラクーア店にて。

 

いちごの新ブランド「原宿ベリー」とは⁉

――― ハピマルフルーツを象徴する商品といえば、存在感のある“ひと粒いちご”。贈答品にはもちろん、2粒入り540円といったミニパッケージもあり、おいしいうえに手軽な価格帯も喜ばれています。ハピマルフルーツが手掛けるいちごは「原宿ベリー」と呼ばれていますが、そもそも、どんないちごなのでしょうか?

 

ハピマルシェPR担当 笹了子さん(以下、笹さん):私たちはもともと青果店から生まれた果物とスイーツの専門店です。原宿ベリーは、ハピマルシェ代表の川島省吾がもともといちごが好きなこと、果物の中でも一番華があるということで、2015年から栃木市都賀町原宿に自社農園を持ち、いちごの生産をスタートさせたことから始まりました。農園のある「原宿」という地名が由来で、ここで栽培しているいちごの総称が原宿ベリーです。

 

Berry Good farm
栃木の自社農園「Berry Good farm」でいちご栽培するスタッフたち。かがんでの作業はからだに負担がかかる重労働。苗づくりから出荷まで16カ月ほどかかります。

 

日照時間が長く、寒暖差があり、いちごの栽培に適している栃木県は「とちおとめ」の産地としても知られています。私たちが栽培しているのはとちおとめのほか、ひと粒25g以上の大粒品種である「スカイベリー」、2019年に誕生した「とちあいか」の3品種。“ひと粒いちご”として店頭に並ぶスカイベリーを手掛けるようになったのは、いちごの師匠が大粒のいちごを作っていて、農場長がはじめて目にしたとき、一目惚れしたのがきっかけです。今では原宿ベリーを代表する品種となりました。

 

―――なるほど。“ひと粒いちご” はスカイベリーなのですね。酸味がやわらかく、甘味とのバランスも絶妙で、とってもジューシーですね!果汁が多く、噛んだらジュワ~ッと溢れてきます。

 

笹さん:そうなんです。それは、一番おいしい完熟のピークを迎え、ギリギリまで畑にいたいちごだからこそのおいしさでもあります。そこが自社農園を持つ大きなメリットですね。上品な甘さや香り、大粒ならではのジューシーさが「まるで桃のよう」と表現されるお客さまも多いんですよ。

 

大粒できれいな円錐形をしたスカイベリー
大粒できれいな円錐形をしたスカイベリー。ひと粒25g以上あるとか!完熟のピークぎりぎりまで待ってから出荷するため、そのおいしさは最高潮!

 

―――ここまでおいしく育てるにはご苦労もあったのでは?

 

笹さん:はい。もともと、いちごの栽培は非常に難しく、はじめの3年間は苗を植えても植えても全部枯れちゃって……。いちごは温度や風などの環境にもすごく敏感なので、環境づくりに試行錯誤を重ねました。原宿ベリーが誕生したのは、5年目の2019年。ようやくおいしいいちごができたときはみんなの喜びもひとしおでした。

農園に携わるスタッフたちは、いちごが元気に育つよう、根っこが栄養分を効率よく吸収する有機酵素を取り入れた農法で丁寧に土づくりをしています。農場長はよくこう言います。

「私たちはいちごがおいしく育つためのサポートをしているだけ。そのためにいい土を作ったり、空気をよくしたり、虫をとったり、手間暇をかけています。いちごが健康的に正しく育てば、味わいが濃くなり、おいしくなるんですよ」

 

ハピマルフルーツ
2023年4月15日、20周年を迎える「東京ドームシティ ラクーア」のリニューアルにともない、1階「DELI&DISH」に2店舗目をオープン。

 

―――こんなに美しく宝石のようないちごが、2粒入り540円というのはうれしいですね。どうしてこんなに手頃なのですか?

 

笹さん:それはお店を立ち上げるときの想いと同じで、果物をもっと身近に感じていただきたいからです。ひと粒1000円で売ってしまうと、いちごが遠い存在になってしまう。おいしいものを食べたらちょっとだけ幸せになり、心も和むじゃないですか。手間暇をかけながらも工夫して、そんなちょっとした幸せや心の和みを提供できればと思っています。

 

旬の果物を詰め込んだフルーツポンチも大人気!

 

―――ここからは「ハピマルフルーツ」小売店責任者の中平明希さんにお話しを伺います。神楽坂本店やラクーア店では、自社農園のいちごのほかにも、季節のフルーツや、果物を使ったスイーツもいろいろ楽しめるのですよね?

 

小売店責任者の中平明希さん(以下、中平さん):そうですね。店舗では、お付き合いのある契約農家さんから仕入れた柑橘類や、市場で目利きが選んだフルーツを仕入れて販売もしています。いちごの季節である12月~5月中旬は、自社農園からのいちごで店頭が真っ赤に染まっていますが、旬ごとのさまざまなフルーツが並び、いろいろなスイーツとしてもお楽しみいただけますよ。

 

「なめらか苺プリン」
原宿ベリーをたっぷり使った「なめらか苺プリン」702円。濃厚ないちごのピュレとともにとろける口溶けが楽しめる。こちらにはとちおとめを使用。

 

―――果物を使ったスイーツも魅力的ですね。実際に店舗で作っているのですか?

 

中平さん:神楽坂本店にはファクトリーがあり、そこで専属のパティシエと一緒に季節の果物を使ったスイーツの商品開発も行っています。私たちは果物屋ですので、果物が主役となるよう、生クリームなどの甘さはあまり強くせず、果物と合わせたときの甘さや固さを考えます。フルーツをどうやって楽しく摂取していただけるか日々研究していますね。

 

――― 一番人気の商品は何でしょうか?

 

中平さん:オレンジやキウイ、りんごなど旬で主役が変わるフルーツポンチです。これは、日々の生活で手軽に摂っていただきたい基本のフルーツを使ったオリジナルミックス。加熱したコンポートではなく、フレッシュなフルーツをそのまま詰め込んでいるので、フレッシュな果物感をお楽しみいただけます。

 

フルーツポンチ
フレッシュな果物をそのまま特製シロップに漬け込んだフルーツポンチ1本2600円。一年通して人気No.1の商品で、ギフトにも喜ばれています。

 

そのままお召し上がりいただいてもいいですし、ヨーグルトやパンケーキのトッピング、フルーツサイダーにしてもおいしいですよ。

神楽坂本店は金曜限定で夜営業もしていますが、お酒と旬の果物をスタンディングで気軽に楽しめるカフェ「夜ハピ」(金曜限定17時~21時30分LO)を開催しています。フルーツポンチの特製シロップをウィスキーとソーダで割り、旬のフルーツがごろごろ入った「フルポンハイボール」も人気です。

フルーツポンチはお酒との相性も抜群なので、ご自宅でもフルポンハイボールやサングリアなどいろいろお楽しみいただけると思います。ぜひ旬のフルーツを身近に楽しく味わっていただきたいですね。

 

ハピマルフルーツ公式オンラインショップではフルーツポンチの購入も>

 

栃木の自社農園「Berry Good farm」のみなさん
栃木の自社農園「Berry Good farm」のみなさん

 

旬の果物とデザートの店「ハピマルフルーツ」代表 川島省吾さんプロフィール

株式会社ハピマルシェ代表取締役。生家が青果店だったため、幼少期から野菜・果物に親しみ、家業を継いで青果店を営みながらも、仕入れたものを売るだけでなく、生産者として自分たちがつくった農作物を届けたいという思いから栃木市でいちごの生産をはじめる。土づくり、苗づくりにこだわり、手間暇かけて生産するいちごは「原宿ベリー」というブランドで直営店舗や一部の小売店で展開中。好きな野菜・果物はトマトといちご。会社のミッションは「おいしいは、楽しい!」

 

▶ハピマルフルーツの詳しい店舗情報はこちら

WRITER

味原みずほ
Mizuho Ajihara

敬食ライター。フードアナリスト。都内飲食店を中心にマルシェ、農家、ブルワー、コーヒークリエイター、料理研究家など幅広く取材。好きな場所は道の駅とアンテナショップ。出身地の青森県七戸町(旧天間林村)は“にんにく”の名産地で、シーズンになると放課後は裏の畑で収穫や出荷のためのネット詰めを手伝っていたことも。おやつは自家製黒にんにく。