“野菜を1日350g食べる”について
みんなで疑問を語り合いました!<後編>

2022.03.07
WRITER/内田あり

管理栄養×まんぷくベジスタッフ座談会!
【野菜を毎日!まんぷくベジ350プロジェクト】

毎日何気なく食べている野菜ですが、みなさんは毎日、どのぐらいの量を食べていますか?「野菜を摂らなきゃ」と意識はしても、その量までは気にしていない人も多いのではないでしょうか。実は、“成人が1日で摂りたい野菜の量は350g”と推奨されているのです。

でも、実際にどんな野菜をどんなバランスで食べればいいのか、果物や大豆製品なども含んでいいのか、分からないことだらけ。そこで前回に続き、野菜ソムリエで管理栄養士でもある、小島香住さんを囲んで座談会を開催しました。

※前回の記事はこちら>

<座談会参加者>

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小島香住さん
野菜ソムリエプロ&管理栄養士。食品メーカーでの営業・商品企画開発・メニュー開発などの勤務を経て、現在は2歳の男の子の育児をしながら、WEBサイトやInstagramで野菜の情報を発信。セミナー講師としても活動している。「まんぷくベジ」メンバー。
 
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スタッフ3名
あり、くりた、ささか。「野菜350g」をまんぷくベジも提唱します!でも、実際に何に気をつければいいのかなど、疑問だらけ……。
 



 

量と一緒に気をつけたい、野菜の調理法のこと。

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ささか
 
実際、日本人は、この350gという野菜の量は足りていないんでしょうか?
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小島さん
調査によると、今の日本人は1日 280gぐらいは摂取できているという結果が出ています。つまり、約70gが足りていないことになります。70gはちょうど小鉢1つ分の量なので、昼食や夕食に追加してみてください。
 
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小島さん
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あり
 
あと小鉢1つ分だと考えると、なんとかできそうかなと思いますね。                                        
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くりた
 
食べ方も知りたいです。たとえば、手軽なところでスムージーやジュースにしてもいいんですか?
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小島さん
はい、アリだと思います。ただし、市販品は加熱殺菌されているものもあるので、栄養素が損なわれている場合が多いのです。できれば、家で手作りしたいところ。スムージーなどペースト状にすると、野菜のカサが減るので、量を多く摂ることができますよ。私は、パッと済ませたい昼食などをスムージーにしてしまう時もあります。
 
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小島さん

両手で野菜を持っているイラスト

 

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くりた
 
小島さんがスムージー1杯を作るときに、どのぐらいの量の野菜が摂れますか?
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小島さん
我が家の場合は野菜を100g、果物を100gぐらい、だいたい1:1の割合で作ることが多いですよ。
 
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小島さん
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あり
 
キャロットケーキとか、スイーツにするのはどうですか?
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小島さん
いいと思います。野菜が苦手な方でも、食べやすくなりますよね。ただし、こちらもオーブンなどで加熱すると栄養素が損なわれることは知っておきましょう。また、糖分や脂質がかなり多く摂れてしまうので、そのあたりのバランスが必要です。
 
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小島さん
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ささか
 
加熱すると失われる栄養素と、加熱しても失われない栄養素があるんですか?
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小島さん
一番わかりやすいところでいえば、ビタミンCは加熱にすごく弱いです。また、ビタミンの中には、水に溶けやすいもの、油に溶けやすいものなど、いろいろな特徴があります。一方で、食物繊維は加熱の影響は受けにくいですね。
 
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小島さん
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くりた
 
なるほど、栄養素をしっかり摂るためには、調理の仕方も重要なんですね。
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小島さん
調理によって損なわれてしまう場合もありますが、逆に、栄養素をアップさせる組み合わせもあるんです。たとえば、トマトは加熱するとリコピンが3倍に、油と一緒に調理すると4倍になるのです。また、油と一緒に摂取すると、吸収率も上がるんですよ。
 
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小島さん
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あり
 
ただ野菜の量を摂ればいいというわけではなくて、調理の仕方によっても変わってくるんですね。ただ、初心者にとっては、野菜の量にも気をつけなきゃいけないし、調理法もとなると、なかなかハードルが高いかもしれません……。
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小島さん
栄養素が損なわれると言っても、100%無くなってしまうわけではないので、まずは野菜350gの量を目指すことを意識してみるのがいいかもしれません。その上で、調理法にも少し気をつけてみるといいですね。
 
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小島さん
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あり
 
野菜のことをどんどん知っていくと、その調理法にも次第に目が向いていくのかもしれませんね。まずは、いろいろな野菜に出合ってみたいと思いました!

 


野菜の量を意識するだけではなく、栄養素をできるだけ効率よく体に取り入れるための調理法を知っておくことも重要です。野菜をただ“食べる”だけではな く、 栄養素を体に取り込むことを意識すれば、これまでの食生活との向き合い方も変わってくるかもしれません。

とはいえ、まずは野菜を楽しむことが一番!お気に入りのレシピを見つけたり、珍しい野菜を取り入れたりと、自分なりの工夫をしてみましょう。

WRITER

内田あり
Ari Uchida

フリーランスの編集ライター。食・子育て・住宅・インテリア・植物・ガジェットなど多岐にわたるジャンルで、ムックや雑誌、フリーペーパー、WEBコンテンツなどで執筆。高校生と中学生の2人の娘をもつ母であり、子どもたちの野菜嫌いを克服させるべく、献立に頭を悩ませる日々。野菜不足になりがちなので、毎日の食卓には手作りのピクルスを添えるよう心がけている。