五葷で活力を取り戻す!
-そのチカラと効果的な食べ方とは?-

2021.03.10
WRITER/
Mei Sakata

「五葷(ごくん)」とは、辛みがあり、臭気の強い野菜を指します。身近な野菜では、にら、にんにく、らっきょう、あさつき、たまねぎ、ねぎなどが該当します。

菜食スタイルを送りながらも、宗教上の理由などで五葷を避ける場合がありますが、その反面、五葷がもつチカラが注目されています。

五葷は活力増進に役立つ!

五葷には、精力を高め、若々しさを保つ効果のある栄養素が含まれています。最近元気が出ない、やる気が起きない、というときには、意識して食事に取り入れるとよいでしょう。

・精力の向上をうながす「セレン」
セレンは、微量栄養素の一つ。テストステロンという、精力に関係するホルモンの産生に関与する栄養素で、たまねぎやねぎに含まれます。

テストステロンの一番の働きは、筋肉をつくること。新たな筋肉組織を作り出し、活力ある体を作りだします。また、集中力を高めたり、やる気を出したりなど、精神的な機能にも関係するホルモンです。

セレンは、サプリメントで摂取しようとすると、過剰摂取になることも多いため、食品から摂取するのをおすすめします。


・老化防止に役立つ「硫化アリル」
五葷である、にら、にんにく、らっきょうなどの臭気の原因成分は、「硫化アリル」です。

この硫化アリルは、抗酸化作用の強い栄養素で、老化や生活習慣病の原因になる活性酵素を取り除く働きがあります。

 

食べすぎ厳禁。効果的な食べ方を知ろう

五葷_にんにく

・五葷の野菜は1日50g〜100g程度に
食べすぎると胃腸に負担をかけたり、口臭の原因になったりする可能性があります。
抗酸化作用によって、人によってはお腹を下すこともあるため、適量の摂取を心がけましょう。

野菜は1日350g程度の摂取が推奨されているので、不足分はほかの野菜で補うといいですね。

・普段の料理に使って旨味をアップ
五葷の野菜の臭気は、そのまま料理のアクセントにもなります。そのため、無理に料理を考え、食生活に組み入れようとしなくても大丈夫。

パスタの風味づけににんにくを使用する、スープへにらやねぎを入れてみるなど、少し意識するだけでも、意外と多くの量を摂取できるものです。

負担にならない程度に、楽しみながら五葷を味わいましょう。

五葷_ねぎ入りうどん

​​​​京野菜の九条ねぎをたっぷり使った、あんかけ風のうどん
​​​​​

季節の変わり目など、なんとなくやる気がわかない、ということがありますよね。
そのようなときには、ぜひ五葷を取り入れて、活力ある生活を取り戻しましょう(なお、五葷の摂取が必ずしも感染症などの対策に直接的に有効とされているわけではありません)。

いつもは五葷を使わない料理に取り入れてみると、料理の幅が広がり、食卓も華やぎます。
ぜひ、実践してみてくださいね。
 

 


 

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▶ 五葷について

「五葷(ごくん)」と呼ばれ、においが強く、精力をつけると言われる野菜を避ける食のスタイルをご説明します。

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菜食スタイルを送りながらも、宗教上の理由などで五葷を避ける場合がありますが、その反面、五葷がもつチカラが注目されています。

▶ 私たちが知らない、五葷のホント 〜禁忌の誤解から食生活への活かし方まで〜

[vol.1] 仏教において、特定の野菜を避けるホントの理由とは?

WRITER

坂田芽唯
Mei Sakata

管理栄養士。栄養・レシピ・ヴィーガンなど、食に関する記事をWEBコンテンツで執筆。その他、カフェのメニュー開発、料理動画制作などをして活動。これまでは給食提供のほか、離乳食指導や食育指導に従事。幼少期から茶道を習っており、日本文化が好き。こども食堂を開くのが夢!