新春に味わいたい縁起物野菜から旬の果物、保存食トークまで!

WRITER/内田あり

まんぷくベジ座談会 〜1月編〜
【野菜を毎日!まんぷくベジ350プロジェクト】

野菜好きが集まる、まんぷくベジ編集部。「最近、お店で〇〇が並びはじめたよね」「今って、どんな野菜に注目してる?」など、野菜談義は尽きません。そこで、野菜ソムリエで管理栄養士でもある小島香住さんを交えて、編集部メンバーがどんなトークをしているのか、毎月ご紹介。

新年にふさわしい縁起のよい野菜の話や、これからの季節に楽しみたい果実酒づくりや味噌づくりについて語ってみました。

<座談会参加者>

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小島香住さん
野菜ソムリエプロ&管理栄養士。食品メーカーでの営業・商品企画開発・メニュー開発などの勤務を経て、現在は2歳の男の子の育児をしながら、WEBサイトやInstagramで野菜の情報を発信。セミナー講師としても活動している。「まんぷくベジ」メンバー。
 
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スタッフ4名
あり、くりた、ささか、あじさん。「野菜350g」をまんぷくベジも提唱します!でも、実際に何に気をつければいいのかなど、疑問だらけ……。
 



 

日本人なら知っておきたい、この時期に出合える縁起物野菜

くわい

 

 

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あり
 
みなさん、お正月はおせち、食べましたか?おせちといえば、縁起のよいお野菜がいろいろ出てきますが、何か食べましたか?
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小島さん
お正月にしか出てこない野菜もいろいろありますよね。たとえば、くわいはこの時期らしい野菜です。その姿から、 “芽(目)が出る” として、縁起物野菜としておせちには欠かせません。
 
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小島さん
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あり
 
見た目にもユニークで面白いです。何か、おすすめの食べ方はありますか?                        
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小島さん
スライスして素揚げしたチップスだとスナック感覚で食べられます。あとはアヒージョに入れると、見た目を生かしたまま、洋風のおつまみになってワインとの相性バッチリです!
 
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小島さん
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ささか
 
あとは、チョロギ!あれ、なんとも不思議な食材ですよね。

※チョロギ … 中国が原産とされるシソ科の一種で、地下の根の先端に出来る3cm前後のくびれがある塊茎。芋虫のようなユニークなフォルムをしている。
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くりた
 
ごぼうも、お正月に店で並んでいるものは太くて立派!実は、いろいろなアレンジができそう。
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あじさん
 
ごぼうは、“家や家業がその土地にしっかり根付き安定するように”という願いを込めて食べるそうです。
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くりた
 
うちのおせちには、たたきごぼうとか、ごぼうの八幡巻きが入ってます。母が作ってくれるんですけどね(笑)この時期はいつも、ごぼうのおいしさを再認識しています。

 

南天と八幡巻き

 

 

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ささか
 
大人になってから「この野菜、こんなにおいしかったんだ!」って気づく食材、多いですよね?。ところで、お正月に野菜がたっぷりとれる料理は、やっぱりお煮しめ?
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あじさん
 
お煮しめって、すごい大量に作りますよね。根菜たっぷり!私の家では、たけのこ、にんじん、れんこん、ごぼう、さといも、だいこん、しいたけ、こんにゃくが入ります。野菜の炊き合わせって感じです。
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小島さん
お煮しめは重箱の一番下に入れます。いろいろな食材をひとつの鍋で煮るから、 “家族が仲良く一緒に結ばれ、末永く繁栄しますように” という願いが込められているそうです。
 
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小島さん
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くりた
 
へ~、お重の順番とか知らないな。そんな自分にびっくりです。                       
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あり
 
私は、おせちは自己流で楽しむ派です。自分が食べたいなと思うものを、自分らしくお重に盛りつけています。見た目も大切だと思うから、彩りを考えて配置したり、紅白のモザイクにしたリンゴを入れて華やかにしています。今年のお正月も、自己流おせちを楽しみましたよ。

 

おせち料理

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くりた
 
たしかに、おせちの由来はきちんと知っておきたい気持ちもある一方で、若い人の口にも合う洋風だってありですよね。おせちだって、自分らしく等身大で楽しむのでいいんじゃないかなと思います。



 

果実酒やジャム、味噌などなど……。今年こそ挑戦したい、保存食づくり

レモン

 

 

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あり
 
みなさん、冬の果物は何が楽しみですか?                              
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くりた
 
私はちょっと前に、紅玉のりんごジャムを作りましたよ。紅玉は皮ごとジャムにすると、鮮やかなピンク色に仕上がるんです。それだけで気分が上がりました!
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小島さん
紅玉はクッキングアップルと呼ばれていて、加熱向きの品種なんです。そのまま食べると酸っぱくて硬めなんですが、加熱するとすごくおいしくなります。
 
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小島さん

 

リンゴジャム

 

 

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ささか
 
クッキングアップル、初めて聞きました!                                        
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小島さん
これからの時期は、柑橘系も出てきますよね。
 
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小島さん
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くりた
 
私は国産レモンが出てくると、そろそろレモン酒を漬ける時期だなって思います。防カビ剤不使用のものがいいので、国産レモンを探しますね。
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小島さん
最近は、輸入物でも防カビ剤不使用のものが目につくようになってきましたよ。
 
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小島さん
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ささか
 
そもそも、黄色いレモンとグリーンのレモンって、品種は違うんですか?
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小島さん
同じ品種です。グリーンレモンがだんだん完熟すると黄色になるんです。グリーンは早摘みで、皮が硬めで酸味も強いです。はちみつレモンを作るのにグリーンレモンを使っても、あまりおいしくないんですよ。やっぱり、はちみつレモンは完熟した黄色いレモンの方がおいしいです。
 
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小島さん
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くりた
 
私、マイヤーレモンが好きです。オレンジとレモンの自然交雑でできたレモンらしいですが、小さくて少し丸みがあって、オレンジ色をしているんです。レモンほど酸っぱくはないんですよ。
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あり
 
まだまだ、知らない果物はたくさんありますよね!                                    

 

自家製みそ

 

 

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ささか
 
おこもりしたくなる冬は、保存食の仕込みにぴったりの季節ですね。             
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くりた
 
ジャムや果実酒と同じく保存食といえば、味噌を仕込む時期ですよね~。        
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あじさん
 
最近、お味噌のセレクトショップである「あさくさ 味噌らぼ」を取材したのをきっかけに、お味噌にハマってます。九州の麦味噌とか、関西の甘い白味噌とか、全国各地の味噌が集まってきてるんですよ。これまで、信州系のガツンとした味噌しか食べてこなかったんですけど、甘味噌のおいしさに心奪われました(笑)。
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くりた
 
私、今年で味噌を作りはじめて4年目なんですが、今年はぜひ、みんなで一緒に作りたいな~。味噌づくりの先生曰く、味噌は大勢で作る方がおいしくできるんですって。不思議ですよね。
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あり
 
味噌づくり、やってみたい気もしますが、最初の一歩が踏み出せないんですよね。ワークショップとかで体験できるなら、ぜひやってみたいです。

 


 

寒い日々がまだまだ続きそうなこれからの時期は、家での保存食づくりをするのにもぴったり。たくさん果物が届いたり、国産のいい果物が手に入ったら、ジャムや果実酒にして長く楽しんでみるのもいいですね。

また、これから春に向けて、縁起物の野菜にも注目したいところ。普段使いはあまりしない野菜でも、スーパーで見かけたら、レシピに取り入れてみるのも面白いかもしれません。縁起がいいとされる野菜は、じつは栄養素もたっぷり。体調が崩れがちなこの時期だからこそ、体のためにも取り入れてみるのもいいかもしれません。

WRITER

内田あり
Ari Uchida

フリーランスの編集ライター。食・子育て・住宅・インテリア・植物・ガジェットなど多岐にわたるジャンルで、ムックや雑誌、フリーペーパー、WEBコンテンツなどで執筆。高校生と中学生の2人の娘をもつ母であり、子どもたちの野菜嫌いを克服させるべく、献立に頭を悩ませる日々。野菜不足になりがちなので、毎日の食卓には手作りのピクルスを添えるよう心がけている。