冷やし焼き芋はダイエットにも最適ってホント!? いも・くり・かぼちゃだらけの、秋野菜トーク

まんぷくベジ座談会 〜10月編〜
【野菜を毎日!まんぷくベジ350プロジェクト】

野菜好きが集まる、まんぷくベジ編集部。「最近、お店で〇〇が並びはじめたよね」「今って、どんな野菜に注目してる?」など、野菜談義は尽きません。そこで、野菜ソムリエで管理栄養士でもある小島香住さんを交えて、編集部メンバーがどんなトークをしているのか、毎月ご紹介。

今回は、いも・くり・かぼちゃの魅力をメンバーみんなで再発見しながら、ダイエットにも最適なお芋の食べ方もお届けします。

<座談会参加者>

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小島香住さん
野菜ソムリエプロ&管理栄養士。食品メーカーでの営業・商品企画開発・メニュー開発などの勤務を経て、現在は2歳の男の子の育児をしながら、WEBサイトやInstagramで野菜の情報を発信。セミナー講師としても活動している。「まんぷくベジ」メンバー。
 
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スタッフ4名
あり、くりた、ささか、あじさん。「野菜350g」をまんぷくベジも提唱します!でも、実際に何に気をつければいいのかなど、疑問だらけ……。
 



 

冷やすと、糖質が吸収されにくくなる!? さつまいもは、ダイエッターの強~い味方

焼き芋

 

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あり
 
今年も、さつまいものおいしい季節がやってきましたね~。最近は、冷やし焼き芋もトレンドとか。以前、冷凍焼き芋は食べたことがありますが、冷凍とは思えないおいしさでした!冷たいままでも、おいしそう。

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ささか
 
ここ数年で、専門店が一気に増えたことも関係しているかもしれないですね。さつまいもを使ったスイーツや焼き芋などが、一年を通して楽しめるようになって、どんどん進化していっている気がします。
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あじさん
 
どうして焼き芋をあえて冷やすんですか?                                            
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小島さん
暑い時期などは、アツアツの焼き芋より、冷えている方が好まれるからですかね。それと、実は冷やすことで、さつまいもに含まれる「レジスタントスターチ」が増えるんです。難消化性デンプンという難しい名前がついているのですが、要は、体に消化・吸収されにくい糖質のことです。
 
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小島さん
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くりた
 
レジスタントスターチを含む食品は、食後の血糖値の上昇が緩やかなので、食べても糖質が吸収されにくいってことですよね。冷やすだけで増えるなんて、すばらしい!
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小島さん
冷えたごはんも、レジスタントスターチが増えるので、太りにくいと言われているんですよ。ごはんやパンを、あえてレジスタントスターチを増やした状態で販売している商品もあるんです。
 
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小島さん
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くりた
 
最近は、カロリーオフだったり、糖質制限での過度なダイエットではなく、食後の血糖値を上昇させない食べ方のコツを取り入れたり、食生活を実践するのがトレンドみたいですね。
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小島さん
たとえば、野菜から食べるようにすると、血糖値が上がりにくいというのは知られていますよね。あとは、低GI食品を選ぶようにするなど工夫することもできます。たとえば、パスタなら全粒粉入りのものを選んだり、うどんじゃなく蕎麦を選ぶといったように。
うまく血糖値をコントロールできると、しっかり食べながらも、太りにくい体質にすることができるんです。
 
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小島さん
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あり
 
さつまいもはカロリーも高さそうだし、今ダイエット中なので控えていたんです(涙)。         
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ささか
 
ここ最近は蜜たっぷりの焼き芋などがクローズアップされて、さつまいもは甘くてカロリーが高そうというイメージがついてしまったのかもしれないですね。
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小島さん
そうなんです!実は長い間、さつまいもの糖分について誤解されてきたんです。実際には、さつまいもは食物繊維がとにかく豊富で、消化も早くてエネルギー効率のよい食材。さつまいもは太りやすいということはないんですよ。
 
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小島さん
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あじさん
 
いもやかぼちゃを食べると、お通じがよくなるのを実感できるので、私は毎日でも食べたいぐらいです!!
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くりた
 
これを機に、さつまいもはそもそも、食物繊維がたっぷりで太りにくい食品だというイメージを広めたいですね。



 

江戸崎かぼちゃなどブランドモノから、コリンキーやそうめんかぼちゃなど面白系まで

かぼちゃ

 

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あり
 
かぼちゃの話題が出ましたが、みなさん、かぼちゃは好きですか?私はかぼちゃの煮物が好きなのですが、いつも同じように料理しても、ホクホクに仕上がるときと、べちゃっとしちゃうときがあるんです。
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小島さん
それは産地の違いかもしれないですね。日本でかぼちゃが採れない時期は、ニュージーランドやメキシコ産が出回ります。海外産のかぼちゃは、水分が多めなんです。
 
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小島さん
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あじさん
 
かぼちゃの水分は、個体でもばらつきがあるのでは?同じ農家さんで収穫されたかぼちゃでも、水分が違うように思いますね。
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ささか
 
行きつけにしている小料理屋の女将さんは、「かぼちゃは茨城の江戸崎かぼちゃしか使わないのよ!」と(笑)。産地やブランドによっても、使いやすさやお気に入りの食感などがあるかもしれないですね。
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くりた
 
私が最近注目しているのが、コリンキー。生で食べられて、食感が独特でおいしいですよね!
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ささか
 
私は、そうめんかぼちゃが気になっています。かぼちゃなのに麺みたいに食べられて、面白いですよ。
江戸崎かぼちゃ ……茨城県稲敷市特産のかぼちゃ。畑で完熟して収穫するのが特徴で、ホクホクとした食感と甘みがある。
コリンキー ……オーストラリアのかぼちゃと、日本のかぼちゃを掛け合わせ、生食用に開発されたかぼちゃ。コリコリとした食感が特徴で、サラダや浅漬けに最適。
そうめんかぼちゃ ……金糸瓜とも呼ばれ、果肉が繊維状になっていて、麺のようにパラパラとほどけるのが特徴。

 

 

 

 

 

 

 

むかごの炊き込みご飯や、小芋の衣被ぎなど、旬の時期だからこそ出合える味も。

栗

 

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くりた
 
みなさん、栗はいかがですか?                                 
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あり
 
私は、くりをむくのがとにかく苦手で……。実家から大量に届くと、それがプレッシャーになります。とくに、栗ご飯用の剥き作業をしていると、腱鞘炎になりそう~。
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くりた
 
むこうとする姿勢だけでも尊敬します!私は、和食屋さんの最後に出てくる、栗ご飯にありつければ幸せ(笑)
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ささか
 
みなさん、どうやってむいていますか?                                  
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小島さん
いま、「ぽろたん」というむきやすい品種が出てきているんですよ。                                                
 
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小島さん
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あり
 
そんな品種があるんですね!あとは、栗むき器を活用するとか?                   
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あじさん
 
うちの実家では、父親が皮むき係でしたよ。
ところで青森は、これからの時期は長いもが旬を迎えるんですが、何と言っても楽しみなのが、長いもの葉の付け根にできる「むかご」!!見つけたら必ず買います。

ざるに盛られたむかご

 

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ささか
 
むかごの炊き込みご飯、最高ですよね~!                                     
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あじさん
 
豆みたいな見た目で、食べるとホクホクの食感でおいしいですよね。我が家は炊き込みご飯のほかに、炒めたりしていただきます。
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ささか
 
さといもも旬を迎えますよね。さといもの小いもを使った衣被(きぬかつぎ)なんて、小料理屋さんで出合うとテンション上がります!皮をキュッと絞って食べるとおいしいんですよね~。

里芋

 

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小島さん
さといもも種類がたくさんあるし、実は糖質がすごく低いんですよ。 さといもと長いもの粘り成分は食物繊維なんですけど、血糖値の上昇を抑えるので、ダイエット中にもおすすめですよ。
 
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小島さん
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あじさん
 
長いもは生でもOKだし、シャキシャキした食感で食べられるし、野菜350gにカウントしてもいんじゃない?って思いますけどね(笑)。
むかご ……長いもや大和いもなどの葉っぱの付け根にできる、球状の芽のこと。10月~11月が旬。
衣被(きぬかつぎ) ……小いもの調理方法。衣を脱がすように食べるため、このような名前がついた。

 


 

秋の深まりとともに、おいしいものが増えていく季節。つい食べすぎてしまいますが、さつまいもや長いも、さといもなど今が旬の食材には、実はダイエットの味方にもなるのです。血糖値を上げにくい食材を上手に取り入れて、食欲の秋を乗り切りましょう。

WRITER

内田あり
Ari Uchida

フリーランスの編集ライター。食・子育て・住宅・インテリア・植物・ガジェットなど多岐にわたるジャンルで、ムックや雑誌、フリーペーパー、WEBコンテンツなどで執筆。高校生と中学生の2人の娘をもつ母であり、子どもたちの野菜嫌いを克服させるべく、献立に頭を悩ませる日々。野菜不足になりがちなので、毎日の食卓には手作りのピクルスを添えるよう心がけている。